VISIT ASEAN CAMPAIGNワークショップ<発表要旨>
●昨年から大阪明浄大学で、講義は、主に「国際ツーリズム振興論」(アジア太平洋地域)を中心に教壇に立っている。
●それまで、旅行会社で長年、旅行作りを(企画・オペレーション・販売促進)。
●長年、世界各国(アジア太平洋諸国を中心として)ツーリズム振興を行ってきた。
A> VISIT ASEAN CAMPAIGNの見方・意義に関して、何点か述べたいと思う。
[T] The 「VISIT ASEAN」 CAMPAIGNの実施に関して
1)
機を得たキャンペーンといえる。なぜならば、「アジアン・ブーム」といわれているが、アセアン諸国は、ASEANセンター、アセン諸国政府観光局を始めとする多くの観光関係者の努力により、日本人の多くに知れ渡ってきている。しかしながら・・・・・現段階では、下記のような状況にある。
@ASEAN各国が十分紹介されていないし、
A日本人旅行客が多くない国々もある。
Bまた、伸び悩んでいる国々もある。この時機を捉え、さらに深く、広く知らしめる良い機会である。
また、
2)
「アジアン・ブーム」といっても、量的な見地から言えば、ASEAN以外の国々の大躍進・・・2000年・・・韓国(247万人)、中国(220万人)、香港(138万人)(これは復活)etc.・・・合計600万人 に負うところが大きい。
一方、ASEAN 10カ国 合計 382 万人
タイ(120万人)・シンガポール(93万人)・マレーシア(45万人)・インドネシア・フィリピン・ベトナム・カンボジア・ブルネイ・ミャンマー・ラオス
量的見地からもASEAN各国を推進させる良い時期である。
3)
2002年には、ASEAN各国以外のアジアを見た場合、ワールド・サッカーで韓国がもっとも注目されるだろう。これ以外にも、香港、中国などのツーリズム振興キャンペーンの活発化が予想される。これらの諸国と競合するのでなく、むしろ相乗効果を期しキャンペーンを展開させる、良い時機といえる。世界中の人々を、アジアに向けさせる・・・・「東アジア」と異なった特色を、前面に出す。
4)
従来、ASEAN各国は、単独国でのツーリズム振興(例:アメージング・タイランド、VISIT BRUNEI 2001など)を中心としてきたが、ASEAN全体でJOINT PROMOTIONすれば、効果を得る良い機会である(なお、1992年にASEAN6カ国体制下でVISIT ASEAN キャンペーンが実施された)。
5)
JOINT PROMOTIONを実施することにより、従来にない形態の観光(スケルトンタイプや低価格志向etc.からの脱却)の創造が可能となる良い時機でもある。
●直行便のない国・少ない国・・・BRUNEI/CAMBODIA/LAOS/MYANMARなど。
●単一デスティネーション・・・価格競争になりやすい・・・コンビネーション/デスティネーションで、内容で勝負する旅行を提案したい。
6)
「ASEAN」・・・・「カリブ海」・「南太平洋」・「地中海」(エーゲ海)のようなソフトな、夢を誘うような、行きたくなるような雰囲気の言葉WORDに・・・・こうなれば、このキャンペーンは大成功である。
●ASEAN・・・・第一印象「貿易」・「投資」・・・・もちろん、これで悪くはない。・・・しかし、「ツーリズム」のイメージは出てこない。旅をしたくなるような、 イメージ作りができたなら、このキャンペーンは成功でしょう。
[U] ASEAN TOURISM振興に向けて、効果的な戦略
1)「統一的テーマ」と「グループ化」の実施・・・実際、至難!
アセアン各国は訪問外国人数、観光内容、開発度合などから鑑みて、決して一様ではない。これらをまとめてキャンペーンを実施するには難があり、失敗する。
「統一的テーマ」:「多様性のASEAN」・「癒し(HEALING)のASEAN」・「マリーン&文化遺跡のASEAN」を提言します。
グループ化としては:
「ビーチ型」、「都市型」、「歴史・遺跡型」,「エコツーリズム」etc・・・、グループ化をベースにキャンペーンを展開させるべきであろう。
2)安全性へのアピール
「安全」に対するASEAN各国政府の広報活動
●
ツーリズム専門家からの発信の重要性
●
安全・治安に関する継続的な発信
*日本の外務省の「危険度」発信に留意を・・・・「危険度1」は
かなり旅行に、痛手。したがって、危険度1発信された場合、現地の専門家として、強力に、「取り払う努力を」・・・・・事件/事故の収拾と外務省・大使館・領事館への情報提供によるプッシュ。
現地の新聞などにおける安全性の発表。
3)積極的な旅行情報発信(ITの駆使)
A)各種統計データの発信(ASEAN各国の不統一・発表の大幅遅延)
●「統一的テーマ」ASEAN各国でデータがばらばらである。
B)日本国内旅行会社etc.専門集団に対する企画・マーケティング上の資料発信・・・有益な内容(専門家向けのページを是非、願いたい)
●インターネット・・・・一般消費者への一般観光案内で終わっている国がある。
*プロへの提言を望む。・・・ASEAN国によって、かなりの充実。
(一般情報に加えて、プロ宛の情報)
マーケティング上・企画上・・・・「自分の会社の伸び率と比較検討ができる」・「なぜ、自分の会社が伸びていないか?」・・・・マーケット/セグメント(若者・年輩が多くなってきているetc.)・・・・マーケットを見て、追加パンフレットも可能。(各国で分析を、HPで掲げる・・・例:オーストラリア:)
*できれば、現地サイドでの今後の傾向。
C)消費者向けへの情報発信
4)国家レベルの規制緩和・排除
A)
VISAなし、無料化
B)パスポート有効期限の特別規制排除
5)JOINT PROMOTIONの推進
表層的なJOINTでなく、実質的にJOINT PROMOTIONが可能な方法を実施。
● JOINT TOUR企画提案(日本における旅行会社・ホールセーラーetc.)
●
JOINT TOURの推進・・・・2カ国以上を巡るツアーを可能ならしめる政策の推進(例:ASEAN VISIT PROMOTIONAL AIRFARE/HOTEL
RATE)
● JOINT
PROMOTION MISSION・・・航空会社・政府観光局・ホテル・旅行会社etc.
● 特定マーケット・・・今後,要望しされる・・・へのJOINT PROMOTION
@「熟高年」・・・「ヤングのASEAN」⇒「熟高年もエンジョイできるASEANへ」
A「修学旅行」・・・ASEAN複数国への誘致を提案。(例:SINGAPORE+MALAYSIA、THAILAND+CAMBODIA、MALAYSIA +BRUNEI etc.)
(競合する諸国・・・例:中国、韓国、オーストラリア,ニュージーランドなどとの差別化を図る・・・特に、国際交流の頻度)。政府、航空会社、ホテル、旅行会社などの強力な連携が必要。
●
EXPERT(大学教授・専門家)配備によるINTERPRETATION/GUIDING
・・・・期間限定で配置
*世界遺産 *ECOTOURISM
6)パッケージ・ツァーにおける戦略・・・もっとも効果を発揮可能な手法
●キャンペーンをもっとも、効果有らしめる方法。・・ホールセーラーのパンフレットに挿入されることである。特に、全国版のパンフレット・ルックJTB・ジャルパックetc.。・・・そのためには、パッケージ・ツァーの企画/販売手順を知る方法が重要。 最近は、かなり不規則になってきている・・・しかし、基本は大きく変わらない。6ヶ月⇒3カ月⇒6ヶ月・・・
●直行便・・・・なくなった場合・・・パンフレットに残す努力・コンビネーションへの努力・・・・ブルネイ・・・直行便なくなって・・・ツアーがなくなる。
●一般オーガナイザー/ツアー・・・・パッケージ・ツァーを参考としてツアー企画・オーガナイザーに提案。
●パッケージ・ツァー組み込み「イベント作り」・・・・「スコタイ」・ジョクジャカルタ・・・ラーマーヤナ物語」・「プリナイト・・・王家の宴」etc. 以上