長良川ホテル跡地に設ける観光拠点施設の整備計画策定業者を決める「長良川ホテル跡地等利用計画策定企画提案事業コンペ」で、岐阜市は八日、審査を通った三グループの案を公表した。桟敷や足湯、鵜飼の体験施設などのアイデアが盛り込まれている。
コンペは新年度に基本構想を策定する業者を選ぶのが目的で、実際に整備する施設は今回の案と変わるのが前提。参加登録した二十六グループ五十三社のうち、十七グループ四十三社が企画を提出した。市側の出した条件に沿ってイメージ図などが出され、大学教授や住民らでつくる審査会が候補を絞った。
選ばれたのは▽「蔵舞台」として露天風呂や鵜飼の実演プールを備えた案▽「長良川桟敷」として百メートルの足湯や飲食施設を設ける案▽「市民・地域への利益誘導型事業」として約二千五百平方メートルの階段型広場を備えた案。いずれも堤防につながる桟敷や温泉、鵜飼資料館、地元物産販売などの機能を備えているが、事業費については、言及している二案でも二十七億円、四十五億円と大きな隔たりがある。
同市ではホームページや広報で案を公表し、三月末まで意見を募集する。それらを参考に審査会が一案に絞る。意見は〒500−8720、岐阜市神田町一ノ一一、同市商工観光政策室。
(箕浦由美子)
(写真上)露天風呂や鵜飼の3Dシミュレーションゲームを提案する「蔵舞台」案
(写真中)100メートルの足湯や桟敷飲食施設を提案する「長良川桟敷」案
(写真下)大きな階段型広場や鵜飼実演水槽を提案する「市民・地域への利益誘導型事業」案
《岐阜新聞3月9日付朝刊県内版》
岐阜市、最終審査に3案公表<中日新聞2004年3月報道>
長良川ホテル跡地利用コンペ
岐阜市は八日、長良川ホテル跡地(同市長良)の整備構想を決めるコンペで最終審査に残った三案を公表した。いずれも、鵜飼いを眺めながら楽しめるレストランや風呂など豪華施設が目玉だが、採算性や運営形態で課題も多い。今後、市民の意見を募り、最終案を決める。
同市の長良川河畔にある約一万平方メートルについて、利用方法を設計会社などから公募。応募のあった十七件から、専門家でつくる審査委がA−C案の三件に絞り込んだ。
A案はスポーツジムや温浴施設を中心に、レストランや資料館が集まる複合施設で、題して「蔵舞台」。蔵のような外観の建物が、鵜飼いの実演もできる池を取り囲む。
「長良川桟敷」と名づけられたB案は、長良川に並行して走る百メートルの足湯が特徴。鵜飼い見学を楽しめる桟敷やレストランも設置する。C案は「市民・地域への利益誘導型事業」がテーマで、地元産品を売る鵜飼市場や、地元特産品を使った飲食店を軸に鵜飼い見学ができる広場を整備した。
ただ、市が税金をつぎ込んで整備、運営することに疑問が起こりそうな施設もある。採算面での試算がないため収支も不透明で、市民の率直な意見が求められそうだ。
詳細は十五日付の広報ぎふで紹介する。最終案決定後、市の意向も加えて構想を策定し、〇五年度以降、整備に取りかかる。 (今村 太郎)