研究ノート
中国における海外パッケージ・ツアーの現況と
日中ツアー比較試論
The present overseas package tours in China and
a tour comparison between Chinese and Japanese
鈴木勝
Masaru SUZUKI
大阪明浄大学観光学部教授
(Professor of Dept. of Tourism Studies, Osaka Meijo University)
[キーワード]
観光目的指定国Approved Destination Status(ADS)
海外旅行ブームBooming
of overseas travel 海外パッケージ・ツアーOverseas package tour
[Summary] Recently Chinese overseas travelers are drastically increasing.
But we have no much information about the Chinese outbound travel. This
paper is to aim at analyzing the present situation and its future tourism,
focusing on the overseas package tours in China. The tour comparison in both
China and Japan to Australia as a destination have been made on hearing at
travel agents and tourism organization in China and Australia and also
checking tour brochures printed in Beijing. This paper is not only to aim at
studying Chinese situation but giving some hints to Japan as an ADS country.
T 研究の背景
[研究の目的]
本稿の目的は、中国人による海外旅行1)の隆盛の要因を追求すると共に、日中両国のパッケージ・ツアー比較を通じて、中国人の旅行形態やトレンドを分析し将来の海外旅行がいかに発展または変容を遂げるかを考察するものである。
さて、中国は21世紀の国際旅行の牽引的役割を果たすであろうとの予測が強い。世界観光機関(WTO)の見込みによれば、2020年には国際旅行客の「受け入れ国」とし、世界1位の位置を占め、他方、「送り出し国」としては世界4位になるだろうとしている2)。特に、後者に関して1997年に「中国公民自費出国旅行管理暫定規則」が施行され、認可旅行会社による観光旅行への参加が可能になり旅行者数は急激な増加を続け、中国の国際観光分野において画期的な時期に突入しているといえる。中国人の海外旅行に関しては、観光目的の場合、渡航先は自由に選択できるわけではなくADS国の国々に限定されている。現在、ADS国は20カ国・地域までに増加して、中国人の海外旅行はますます盛んになっている(表1)。
この勢いで行けば、2020年には旅行者数は1億人に達するとの見込3)であり、中国人の動きがさらに世界の観光動向に大きな影響を与えることになる。しかしながら、このように伸び行く中国人海外旅行客の実態は世界にほとんど知られていない。原因の1つとして、中国の国家旅游局や国際旅行社などの旅行業界からの情報の欠如が指摘されるが、外貨獲得の見地からインバウンド観光に力点を置く政策が優先していることや海外旅行の急激な進展で対応が後手に回る状況を理解できないことではない。しかし、インバウンド観光と同様の情報提供やマーケット分析の発表は中国全体の観光を理解する上で、中国の内外観光関係者にとり不可欠なことである。
本論では、中国におけるアウトバウンド・ツーリズムの中心的存在であるパッケージ・ツアーに焦点を当て、中国人旅行がいかなる特徴を有するかの研究を進めた。手法として、日本のツアー形態との比較を中心に行った。調査開始時点では中国のパッケージ・ツアーは極めて初歩的な段階であり、研究として単純すぎる対象ではないかと思料された。しかし、近年、@急激な伸び率、Aリピーターの激増、B富裕層の増加、C政府によるADS国の相次ぐ追加、Dインターネットの発展などの諸現象が現れ、短期間に急速に大きな変化をもたらしているのではと考えるようになった。特に、中国では初心者人数が激増する一方、5回〜10回以上とも言われる超リピーターも都市部を中心に誕生しており、海外旅行の質的変化を迫っている。したがって、現時点での考察が価値あるものと考えられた。また、2000年から「観光旅行解禁」となった日本にとっても、日中2カ国間の動静に終始しがちな観光論議に留まることなく、グローバルな視点から中国の観光動向を考察することが不可欠であろうと考えている。
[研究の対象]
北京の主要な旅行会社を取り上げ、2000〜2001年にかけ実地調査およびインタビューを実施した。「中国国際旅行社総社」、「中国旅行社総社」、「中青旅CYTS」および「北京神舟集団出境旅游公司」であり、研究対象のパンフレットはその間に発行されたものである。調査に際しての困難性は、企画造成手法、販売形態、組織、各種数値に関し中国側旅行会社から、公式にまたは書面としての発表が極めて限定的であるという事実である。加えて、これらを管理監督する国家旅游局も同様な実態である。また、研究として中国人旅行者に人気の高い目的地の1つであるオーストラリアの実地調査を行い、オーストラリア政府観光局(ATC)、中国人観光客を主に扱う旅行会社、クルーズ会社、DFS免税店、ホテルにインタビューを実施した。結果として、中国人ツアーの企画・販売形態を日本人ツアーとの比較を行い諸項目の検討を加えた(表2)。
U 中国における海外旅行の隆盛
1)海外旅行の隆盛と観光デスティネーションの拡大
[海外旅行の隆盛]
中国人にとり海外旅行ブームがアジア諸国を中心に続いている。これを推進させる要因として、@改革・開放政策の進展による中国人の経済的ゆとり、A労働時間の大幅な短縮、すなわち、土・日曜の週休2日制、年3回の7連休制度4)、B国内旅行の割高感などが考えられる。その背景には1997年の「中国公民自費出国旅行管理暫定規則」の施行で、観光目的での旅行が許可されたことである。中国政府は長く中国人の国内旅行のみを認め、国外旅行は不許可とする政策を採用してきたが、改革・開放政策の推進とともに、中国人による海外渡航の自由化を認めざるを得ない状況になった。現在、国外旅行の段階的解禁を実施していく中で、訪中外国人とのバランスを取りつつ、「有計画、有組織、有控制」(計画的、組織的、制限的)の方針を堅持し発展させることを表明している。
[観光デスティネーションの拡大]
1983年は香港、1984年はマカオ、1991年は指定旅行会社ツアーによるマレーシア、シンガボール、タイの5カ国・地域を親族訪問先として認可し、1997年以降の観光渡航先としてはこれらの国・地域に加え、フィリピン、韓国、オーストラリア、ニュージーランド、日本、ラオス、ベトナム、ミャンマー、ブルネイ、カンボジア、ネパール、インドネシア、ドイツ、マルタ、エジプトを指定した。先駆的役割を果たした香港とマカオは、「(香港・マカオ)観光のスタートは中国人の自費国外旅行の基盤作りをした5」」と評価され、オーストラリアは1999年に西側国家として初めて観光目的指定国となり、アジア圏外にも急速に拡大するきっかけとなっている。また、将来のADS国として立候補を表明している国々が多くある。
2)パッケージ・ツアーの増加と旅行会社
[パッケージ・ツアーの増加]
海外旅行の進展につれ旅行内容や客層そのものに、大きな変化をもたらしている。ハネムーン、ファミリー旅行、医者同伴熱年ツアー、マレーシア・ドライブ旅行、映画「タイタニック」を機縁に盛んになったアジア・クルーズ旅行など、種々の旅行形態が現れる一方、客層として企業経営者、個人企業主、国営・外資会社マネジャー、定年退職者、企業招待客、富裕農民、ファミリー、都市部OL、学生などに拡大している。しかし、スタート時点の現段階はフル・パッケージの定番ルートが主流を占めており、旅行先としてアジア、とりわけタイや韓国などの割安で手軽に行けるパッケージ・ツアーに人気が集まっている。
[指定旅行会社]
1997年に旅行業者の分類が変更された。旧来、一類から三類の旅行会社(一類は訪中外国人旅行手配の直接取扱、および中国人の外国旅行の取扱、二類は一類業者の扱う外国人旅行者の地上手配のみ、三類は中国人の国内旅行のみ)であったが、「国際旅行社」(旧一、二類に相当)および「国内旅行社」(旧三類に相当)の2種類にされた。海外旅行の業務を担当する旅行会社の審査と認可にも厳しい条件があり、これに沿った旅行業者の数は2000年現在、国際旅行社が1,268社、国内旅行社7,725社で、合計8,993社となっている。その中で65社6)が、1997年に制定された「中国公民自費海外旅行管理暫定規則」に従い、海外旅行を扱える会社として2002年現在、政府から指定を受けている。アジア諸国への旅行は、65社の全てが扱えるが、国によっては取扱い旅行会社に制限が加えられ、例えば、オーストラリア、ニュージーランド、日本は20社限定となっている。
V 旅行会社における海外パッケージ・ツアーの企画・販売
1)企画造成
中国のツアー企画・販売の実態把握には、旅行パンフレットの記載事項を中心に考察することが最適と考え、本論ではオーストラリア商品の日中両国ツアーを検討した。
[企画・ツアー種類]
「周遊型フル・パッケージ」、いわゆる「複数観光地を巡る、観光および全食事付きツアー」が主流である。ただし、香港やマカオには大胆な自由行動形態が登場している。ホテル選択は中級クラスが中心だが、少人数によるデラックス・ツアーを販売する例も多い。
[旅程・訪問個所]
日本では見られないコース、「韓国・香港・マカオ7日(北京→済州島→ソウル→香港→マカオ→北京)」がある。これは1回の旅行で多くの目的地を巡る旅程であり、多忙なスケジュールとなっているが、現時点の中国人のニーズを満たすコースである。この観点から、目的国・日本は単独国として販売するのではなく、コンビネーションとして、例えば、韓国や香港と組み合せた旅程が人気を得るのではないか。ただし、価格的競合力あるツアーであることが必須条件である。また、同様の傾向はヨーロッパツアーに見られるが、1回の旅行で5、6カ国を巡るスケジュールが人気となっている。中国人にとっては、海外旅行がある種のステイタス・シンボルと見なされる現在、モノ・デスティネーション「日本」はヨーロッパ5カ国との競合には負けてしまう。表2の検討のオーストラリアに関しては、日本人がリゾートにおけるモノ・ステイ(単一地域滞在)に固執する傾向に比して、中国人は都市型の周遊コースが圧倒的に多い。中国人に最もポピュラーなツアーの1つは「シドニー・キャンベラ・メルボルン・ゴールドコースト4都市巡り」である。このコースは日本人向けのパンフレットには全く登場しないツアーでもある7)。
[価格]
ホテルはスタンダードを中心とした、低価格ツアーが主流を占めている。しかしながら、新婚層などの増加により徐々にデラックス化傾向にある。なお、ツアー価格決定に際して、ランドオペレーター数社から見積もりを取るケースが一般的であり、その結果、各国では競争力のある華僑・華人系旅行会社に決定される場合が多い。
[S/E(シングル・エキストラ追加料金)] 中国のパンフレットには記載されていない。理由の1つとして、日本やオーストラリアの旅行では「不法滞在」を防止する観点、すなわち相互監視制度上からも一人部屋を設定しないという専門家の意見もある。参加客が偶数であれば添乗員が1人部屋となり、奇数となれば参加客1人は添乗員と相部屋になることになる。
[添乗員]
中国における海外ツアーは添乗員付きである。近年、急速な伸びのため、外国旅行経験があり専門的教育を受けたスタッフが足りなく、未熟の添乗員同行が多い実態にある。旅行会社社員であるが、海外旅行部門以外(例:経理部や人事部)のスタッフも少なくない。この現象は日本における草創期、すなわち1970、80年代と近似している。しかし、日本ではインバウンド(訪日外国人)部門担当者の助力を得て緊急対応体制を構築して行った経緯があるが、中国では訪中外国人市場も同時に急速に伸びている実態があり、助力は得ているものの満足の行くものではない。また、会社によりインバウンドとアウトバウンドの両部門間で社内確執が見られる。一方、参加客にとり、添乗員に多くのサービス項目は望まず、最低限「言葉」と「出入国・ホテルチェックイン手続き」ができればよしとする環境は旅行会社経営に幸いしているといえる。
[食事]
食事の具体的記載は少ないが、記載のあるパンフレットでは「朝食(洋式)および昼・夕食(中華)」が一般的である。中国人の食生活パターンがそのまま、海外旅行でも再現されている。日本人旅行者と差異ある現象である。これは中国人にとって外国料理が不慣れであり当面この志向が継続されるであろうが、最近の若年層が外国料理に親しんでいる状況から、将来的には大きな抵抗もなく西洋料理のスケジュールが出てくることは間違いない。他方、日中両国の旅行者にとり、価格的側面から食事の選択を強いられていることも指摘できよう。中国人が好む「中華料理」の方が「洋食」よりも廉価であり、他方、日本人にとっては「日本料理」より「洋食」が低価格であるという実情からツアーの食事が特異性あるものとなっている。
[観光・自由行動]
現行のパッケージ・ツアーに関して、各国への旅行にはほとんど自由行動がない。ただし、香港、マカオ、シンガポールには自由行動を含んだツアーが多く見られる。自由行動より全てを組み込んだ形態を好む理由としては、時間の有効活用や言語上の問題などがあるからである。しかし、観光への出発前の早朝や、夕食後に自由行動に余念がない傾向から推察すれば、中国人のツアー形態は観光目的国の言語上の整備などで、将来、大きく変わることが予測される。
[催行人員]
参加人員15人に添乗員同行するツアーが一般的である。日本の初期段階のツアー催行と酷似する。また、集客不良を予測した他社との提携手法、いわゆる、「ジョイント催行」が見られる。例として、タイトル「国旅・青旅:桜花之旅6日游8」」のパンフレットは各自で印刷され販売されている。ツアーは交互に担当・催行(例:隔月毎)される。日本にはかつてパッケージ・ツアーが登場した際に、「ルック」がJTBと日本通運により催行された形態である9)。会社とブランドとの違いはあるが、パッケージ・ツアー草創期の形態は日中両国において似た過程が見られる。ただし、大きな差異は中国側の提携は代表的な旅行会社が、品質、ネームバリューなどの観点から同等・類似性の存在を認め提携し、海外旅行分野のリーダーシップをとろうとの思惑が見られることに対し、日本側の提携は航空会社主導の「ジャルパック」とのいわば、「旅行会社vs.航空会社」のパッケージ・ツアー主導権上の戦略であったことである。なお、現在、中国側航空会社によるパッケージ・ツアーに対する動きは見られない。
[催行中止通告および催行可否に関する留保事項]
中国における参加申込者に対する旅行会社からの取消通知は「7日前」が多い。日本人旅行者の3週間以上前と比較すると極端に短いが、取消に際しては異なる出発日への変更もしくは他社ツアーへの誘導を実施することが行われている。また、パンフレット上には、「当社は旅程および価格に関しては、状況に応じて調整する権利を留保する」との主催会社の明記がある。すなわち、予定の航空座席が都合で確保できない場合、迂回ルート、出発日変更、もしくは旅行代金の変更が一方的に旅行会社側によって実施されることである。翻って、日本側の変更に関する旅行業約款は、旅程保証面で厳しいものとなっているのは周知の事実である。
[ブランド]
中国ではパッケージ・ツアーのブランドは採用されていず、旅行会社名による差別化や優劣性をマーケットに訴える手法がとられている。例えば、「国際旅行社総社」による主催は募集上や価格設定上で優位性―すなわち、他社よりも多少高額であっても集客に成功することなど―を示している。しかし、海外旅行者の増加、リピーターの激増、各旅行会社の競争激化などにより、会社名による優位性は近い将来、崩れていくことが想定される。
[パンフレット]
定まった時期での発行はなく適時行われている。掲載は、訪問個所、価格、出発日、出発・到着都市および簡素な契約条件の項目のみである。春節(旧正月)などのピーク時期特集版の一覧表パンフレットが目立つ。構成として視覚に訴える美麗な写真は少なく、文字の配列でデスティネーション紹介が多く、日本ではこの部分は市販のガイドブックに委ねられている。また、パンフレットの形状に関して、商品を自社のチャンネル以外のリテーラーに販売する流通システムが確立されていないため大小さまざまであるが、当該システムが完成されれば定型のパンフレットが作成されることになろう。
2)販売―店舗・メディア・インターネット―
[店舗販売]
旅行会社は、近年、店舗販売に力を注いでいる。中でも、中青旅CYTS(China CYTS Tours Holding
Co. Ltd)は北京市街や近郊に多くの店舗を有し、カウンターでは各個人がコンピュータを所持する一方、統一イメージを消費者に訴えるべく店舗デザイン、社員ユニフォーム着用などに注意を払っている。また、業務遂行にはマニュアル化の徹底を目指し、渡航手続き各種を行っている。このように外的整備は比較的容易だが、企画や添乗員部門と同様に、熟練販売スタッフが不足している。ここでもスタッフはインバウンド出身者が多いことが特徴的である。中でも日本人担当の経歴を有する社員が、中国人顧客の対応に威力を発揮しているとのコメントは、旅行手配内容にきめ細かさを要求する日本人旅行者に訓練を受けてきたからなのであろう。
[メディア販売]
新聞、ラジオ、テレビなど利用のパッケージ・ツアーの宣伝も活発になっているが、比較的多いのは新聞告知である。経費節約と効果的な宣伝手法として、旅行会社数社合同の宣伝は日本と異なる。デスティネーション毎に会社名と金額だけの表示形式で商品発表し詳細は直接に問い合わせる形態、いわば日本では旅行雑誌「ABロード」の新聞版といえる。
[インターネット販売]
@広大な中国をカバーする効果的な手段、A旅行産業における流通システムの未成熟、Bインターネットの急速な伸び、などの理由のために旅行産業界に、インターネット販売が急速に進展する萌芽が出ており、中青旅CYTSはインターネット旅行会社の子会社を発足させている10)。一方、消費者側でも海外旅行情報を直接、外国にアクセスするなど、現段階でもインターネットの駆使が報告されている。調査によれば、中国人インターネット・ユーザーが、1999年には50,818頁を利用したことは前年比242%増であり、2005年には5,500万頁到達するであろうと予測している11)。
W 結び—将来の中国の海外パッケージ・ツアー―
中国政府による観光上の優先的政策は、まず「外国人のインバウンド旅行」、次に「中国人の国内旅行」とし、最後に「中国人の海外旅行」としているがこれはインバウンド実績いかんとする。しかしながら、都市部における所得の拡大やADS国の追加情勢から、近い将来、世界全体の量質両面における観光動向に大変革をもたらすことは必須である。一方、隣国日本として、単に日本へのインバウンド観光だけでなく、日本人の海外旅行の動向に大きな影響を及ぼすこととなるであろう。例を挙げれば、ゴールデンウィーク期間はもちろん、春節、国慶節時期は日本人の海外旅行も制限せざるを得ない状況も現出されるだろう12)。このような観点からも、中国人の旅行、特にパッケージ・ツアー動向を今後とも直視して行くことはますます重要になってくる。
表1 中国人・入国者数「ADS(観光目的指定)国」(2002年3月末現在) (単位:人)
国・地域 |
自由化年 |
1994 |
1995 |
1996 |
1997 |
1998 |
1999 |
6年間伸率94―99 % |
1)香港 |
1983 |
1,943,678 |
2,243,245 |
2,311,184 |
2,297,128 |
2,597,442 |
3、206、452 |
65.0 |
2)マカオ |
1984 |
423,415 |
547,527 |
539,919 |
569,372 |
622,214 |
816,825 |
92.9 |
3)タイ |
1991 |
257,455 |
375,564 |
456,912 |
439,795 |
571,061 |
775,626 |
201.3 |
4)シンガポール |
1991 |
164,886 |
201,953 |
226,677 |
235,112 |
293,282 |
372,881 |
226.1 |
5)マレーシア |
1991 |
95,789 |
103,130 |
135,743 |
158,679 |
159,852 |
190,851 |
99.2 |
6)フィリピン |
1992 |
9,259 |
8,606 |
15,757 |
19,093 |
24,252 |
21,220 |
129.2 |
7)韓国 |
1998 |
140,985 |
178,359 |
19,960 |
214,244 |
210,662 |
316,639 |
124.6 |
8)オーストラリア |
1999 |
29,700 |
42,600 |
54,000 |
65,836 |
76,543 |
97,990 |
230.0 |
9)ニュージーランド |
1999 |
6,487 |
8,918 |
13,646 |
17,551 |
16,410 |
23,241 |
258.2 |
10)日本 |
2000 |
193,486 |
220,715 |
241,525 |
260,627 |
267,180 |
294,937 |
52.4 |
11)ラオス |
2000 |
886 |
|
1,739 |
6,694 |
7,251 |
20,269 |
128.8 |
12)ベトナム |
2000 |
14,381 |
62,640 |
377,555 |
405,279 |
420,743 |
484,102 |
236.6 |
13)ミャンマー |
2000 |
― |
― |
― |
― |
― |
(12,148) |
― |
14)ブルネイ |
2000 |
― |
― |
― |
― |
― |
― |
― |
15)カンボジア |
2000 |
20,782 |
22,886 |
22,029 |
17,282 |
18,035 |
26,805 |
29.0 |
16)ネパール |
2000 |
(3,434) |
(4,587) |
(4,846) |
(5,673) |
(5,340) |
― |
― |
17)インドネシア |
2001 |
37,096 |
38,895 |
21,739 |
24,984 |
34,327 |
18,732 |
△49.5 |
18)ドイツ |
2001 |
102,723 |
117,069 |
132,950 |
142,671 |
161,939 |
178,107 |
73.4 |
19)マルタ |
2001 |
― |
― |
― |
(489) |
(522) |
(699) |
― |
20)エジプト |
2001 |
4,292 |
5,930 |
7,001 |
6,932 |
8,272 |
11,189 |
160.7 |
参考 |
合計 |
― |
3,445,300 |
4,179,279 |
4,578,336 |
4,881,279 |
5,489,465 |
6,855,866 |
― |
(前年比) |
― |
―% |
21.3% |
9.5% |
6.6% |
12.5% |
24.9% |
― |
注1)財)アジア太平洋観光交流センター(2001)『世界観光統計資料集』データをもとに作成。「−」部分は未発表。
注2)「香港・マカオ」は1997年、1999年に各々中国へ帰属したが、1国2制度を採用しているため外国旅行統計上の扱いも、中国本土と別扱いとしている。
注3)自由化年に関して:香港、マカオ、タイ、シンガポール、マレーシア、フィリピンはそれぞれ「親族訪問」国・地域として承認を受け、次に1997年中国公民自費出国旅行管理暫定規則により「観光旅行」も可能となる。
注4)「合計」に関して、( )内数値は合算せず。
表2 日中・パッケージ・ツァー比較(目的国・オーストラリア)
国
項目 |
<オーストラリア> |
中国人ツアー(北京発) |
日本人ツアー(東京発) |
ツアー種類 |
・「定番」コース |
・「定番」コース〜FIT型ツアーまで
・エコツアー・トレッキングetc.のSIT |
旅程 |
全食事・観光付 |
「食事・観光付」〜スケルトン型(航空・ホテルのみ)まで |
訪問個所 |
3〜4(周遊型) |
1または、2(モノ・ステイ型が主流) |
訪問形態 |
都市型 |
リゾート型 |
具体的な訪問個所 |
シドニー・メルボルン・ゴールドコースト・キャンベラ(訪問者・上位4州13))
|
・「ケアンズのみ」、「ゴールドコーストのみ」。「シドニーのみ」・・・単一地域
・「シドニー+ゴールドコースト」の2地域 |
これからの注目個所 |
ケアンズ(グレートバリア・リーフ) |
東海岸以外(パース、エアーズロック、南オーストラリアetc.) |
期間 |
7日〜11日 |
5日〜8日 |
出発日 |
週1〜2回。「15名以上の場合、同コースを独自の出発日で設定可能。但し、ピーク時を除く」の記載がある。 |
毎日(中国人用パンフレットにある、「15名以上の人員」の記載はなし) |
販売価格(標準)14) |
\202,000〜¥240,000 |
¥115,000〜¥223,000 |
価格帯 |
出発毎に決定 |
8〜10種類(3〜6カ月毎・基本) |
S/E(1人部屋) |
記載なし |
記載あり |
グループ割引販売 |
「10名以上は金額面で割引」との記載あり |
金額面での割引はないが、バス・食事などにメリットを提供する記載あり。6〜8名以上の場合 |
添乗員(有無) |
あり |
「あり」および「なし」(ほとんど、「なし」) |
食事 |
回数 |
旅程中の全食事(3度ずつ) |
「旅程中の全食事付き」はなし。半分〜0 |
内容 |
朝食(洋食)、昼・夕食(中華):多数 |
ミールクーポン制(海鮮、洋食、イタリアンetc.) |
自国料理の有無 |
全行程のうち、大部分が中華料理 |
多数のコースには日本食は含まれない(デラックス・ツアーのみ、1回また2回あり)。 |
ホテル |
3〜4.5星クラス(3星が多数) |
4〜5星クラス。ハネムーン5星 |
観光(有無) |
あり |
「観光付き」〜「なし」まで。1回の「観光付き」が多い。 |
好評な観光地etc. |
テーマパーク、カジノを含むナイトスポット、ショッピング、ハーバークルーズ、中華料理 |
コアラパーク、ゴルフ、ハーバークルーズ
|
自由行動 |
なし |
あり(ほとんどのコース) |
最少催行人員 |
・15名(多数)
・人員未達:取消または他社との共同催行 |
・1名もしくは2名
・添乗員付きコース:6名以上(多数) |
15名以上の
別催行ツアー |
「希望により、ピークシーズンを除き、別個に催行可能」の記載あり |
記載なし |
2社共同販売・催行 |
他旅行会社と連携。但し、催行は単独実施 |
なし |
旅行会社の取消通知 |
出発7日前 |
出発3週間〜1カ月前 |
販売手数料
(ホールセーラー及びリテーラー) |
ホールセーラー 15〜20%、リテーラー5〜10%。(ただし、流通システムの中で明確な区分でホールセーラーは確立されていない)。 |
ホールセーラー 5〜15%、 リテーラー10%前後) |
ツアー・ブランド |
なし |
「ルックJTB」(モノ・ブランド制)
「I’ll」「AVA」(複数ブランド制) |
パン
フ
レ
ッ
ト |
形態 |
一枚刷り(多数)。大小種々のパンフレット |
基本は、100ページ以上の美麗パンフレット(スタンダード級は1枚刷り)。A4版型が主流。 |
発行時期 |
定められた時期なし(適時)。次の3ピーク時期前に多い。春節(旧正月1〜2月)、メーデー(5月)、国慶節(10月)。例:春節特集パンフレット(出発の3〜2カ月前に発行)。 |
基本として、上/下期(4〜9、10〜3)であるが、年4期(3カ月毎)も多い(10〜4カ月前に発行)。近年、チャーター便就航etc.で適時発行が増加傾向。 |
記載内容 |
簡素な「日程」・「価格」・「契約条件」(多数)。大部分はホテル名なし。美麗パンフレットではホテル名あり(「又は同等クラス」が付記)。 |
基本パンフレットは「詳細な日程」、「8−10段階のある価格表」、「写真(主にホテル)」、「現地オプショナルツアー」、「細かな契約条件」あり。 |
注1)資料:2000・2001年版パンフレット
(中国)中国国際旅行社総社、中国旅行社総社、中青旅CYTS、北京神舟集団出境旅游公司
(日本)JTBワールド「ルックJTB」、ジャルパック「I’ll」
「参考文献」
財)アジア太平洋観光交流センター(2001)『世界観光統計資料集2001年版』APTEC。
財)アジア太平洋観光交流センタレAPTEC(2000)『1999年国際観光観観』APTEC。
財)アジア太平洋観光交流センターAPTEC(1999)『ツーリズム:ビジョン2020』APTEC。
ATC(2000)『Profile-Your Guide to Marketing in North Asia』ATC。
中華人民共和国国家旅游局(2000−2001)『中国旅游年鑑2000−2001』中国旅游出版社。
JTBワールド(1998)『JTBワールド10年史』JTBワールド。
JTB(2001)「JTB REPORT 2001」JTB。
財)JTB(2002)『旅行・観光地動向ファイル』2001/2002年冬号PP.1-4
JTBワールド(2000−2001)『ルックJTBオーストラリア』、JTBワールド。
ジャルパック(2000−2001)『T’11オーストラリア』ジャルパック。
JNTO(2001)『マーケティング・マニュアル2001』国際観光サービスセンター。
JNTO(2000)『世界と日本の国際観光交流の動向」財)国際観光サービスセンター。
三菱総合研究所(1999−2000)「中国情報」三菱総合研究所。
杜)日本観光協会(2001)『数字でみる観光2001』社)日本観光脇会。
王文亮(2001)『中国観光業詳説』日本僑報社。
鈴木勝(2000)『国際ツーリズム振興論(アジア太平洋の未来)』税務経理協会。
山上徹(1999)『ホスピタリティ・観光産業論』白桃書房。
1)正確には、中国で「外国旅行」と呼ぶ。ベトナム、タイ、ミャンマーなど陸続きでの外国へ
の旅行があるからである。本論では日本での一般的呼称を使用する。
2)
財)アジア太平洋観光交流センター(1999)p.5。なお、1999年現在「受け入れ国」として世界7位、一方「送り出し国」として10位である(ただし、観光収入・支出ベースによる。資料:JNTO「世界と日本の国際観光交流の動向2001年版」、PP.21-23)
3)同書、P.5。
4)
従来は、春節(旧正月1−2月)だけであった連休制度が拡大され、1999年から国慶節(10月)が、そして2000年から労働節(メーデー・5月)がそれぞれ一週間連続の休暇となる。
5)王文亮(2001)p.152。
6)JNTO(2001)p.91。1997年認定時は67社であったが、2000年1月に北京市の3旅行会社が合併しこの数字となる。なお、新会社は「北京神舟国際旅行社集団有限公司」である。
7)類似ツアーとして、「オーストラリア3都市ツアー(除・ゴールドコースト)」がある。しか
しながら、日本人マーケットにとり1980年代初期に全盛を迎えた商品であるが、商品ライフサイクル論から言えば、現在「衰退期」にある。
8)中国国際旅行社総社および中青旅CYTS共同催行「桜見物6日間の旅」。
9)1969年から1988年までJTBと日本通運によるルックの共同企画・共同販売体制が日本旅行産業で最も大きな提携であろう。ただし、この事例はブランドの共同である。
10)会社名「電子商務有限公司(CYTS 0nline
LTD.)」(2000年4月設立)。
11)
ATC(2000)p.10。
12)
鈴木勝(2000)p.12
13)
@NSW(シドニー)83%、AVIC(メルボルン)51%BQLD(ブリスベン)36%、CACT(キャンベラ)25%・・・(
)内は州都:複数回答による。(ATC2000)。
14)単純な日中価格比較は困難であるが、“売れ筋”ツアーにて実施。中国人用:「シドニー・キャンベラ・メルボルン・ゴールドコースト10日間」。日本人用:「シドニー・ゴールドコースト9日間」。比較期間:冬場2001年1月〜3月。1中国元=¥15。
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