日中国交正常化30周年記念
大阪府日中経済交流協会設立20周年・日中関係学会設立10周年記念
公開フォーラム（11/16）
ＷＴＯ加盟後一年の中国
～変わったもの、変わらぬもの～
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昨年の１１月１０日に中国のＷＴＯ加盟が承認されてから一年がたちました。
「世界の工場」と「１３億の市場」の中国を目指して、世界のコングロマリット企業の中国進出が激増し、中国経済の躍進が続いています。
ＷＴＯ加盟後一年の中国はどう変わり、変わっていないものは何か、またどのように変わろうとしているのか、今回の公開フォーラムは３人の専門家による検証と今後の見通しを示唆されることになっています。土曜日の午後ではありますが、お誘い合わせの上ぜひご参加いただけますようご案内申し上げます。
13:15～13:20 司会・あいさつ
13:20～14:10 『農民国家の課題』 桃山学院大学 教授 厳 善平氏
1984年南京農業大学卒業後、来日。1991年京都大学大学院博士課程修了、農学博士。農業経済学、中国経済論専攻。桃山学院大学経済学部専任講師、助教授を経て、2000年から現職。著書に『中国農村・農業経済の転換』（勁草書房）、『農民国家の課題』（名大出版会）など多数。
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14:10～14:20 質疑応答
14:20～14:30 休憩
14:30～15:20 『最近の中国の金融事情』 福山大学 教授 大久保勲氏
1961年東京外国語大学中国語科卒業、東京銀行（現東京三菱銀行）入行。71.1～74.1 日本日中覚書貿易事務所北京駐在員事務所代表勤務の後、同行北京、香港駐在を経て、91.4、同行理事・中国部長、96.4、東京三菱銀行駐華総代表、94年度―97年度 中国日本人商工会議所副会頭、98.4 ㈱東京リサーチインターナショナル研究理事、亜細亜大学大学院、大東文化大学非常勤講師、福山大学経済学部客員教授を経て2001年から現職、主な著作に『中国経済Ｑ＆Ａ100』（亜紀書房）などがある。
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5:20～15:30 質疑応答
15:30～15:40 休憩
15:40～16:30 『中国・観光大国への急速な歩み』大阪明浄大学 教授 鈴木 勝氏
1967年早稲田大学商学部卒業後、JTB（日本交通公社）入社。81年より5年間シドニー支店（開設）次長として、オーストラリアに駐在。89年より4年間 ＪTB北京事務所長として、中国に駐在。98年JTBアジア・取締役日本支社長、2000年大阪明浄大学観光学部助教授を経て02年より現職。著書に『国際ツーリズム振興論―アジア太平洋の未来－』ほかがある。
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16:30～16:40 質疑応答
■主
催：大阪府日中経済交流協会・関西日中関係学会
■協賛：中国駐大阪総領事館、社団法人大阪国際ビジネス振興協会（IBO）、
大阪ビジネスパートナー都市交流協議会（BPCネットワークセンター）、
（社）大阪能率協会、現代中国研究会、神戸社会人大学、NPO関西遼寧協会、NPO大阪府日中友好協会
■日 時：2002年１１月１６日（土）１３：１５～１６：４０ 公開フォーラム
１７：１５～１９：００ 講師を囲む会食交流会
■会 場：公開フォーラム piaＮＰＯ６階
（地下鉄中央線「大阪港」駅④出口徒歩5分）
〒552-0021大阪市港区築港2-8-24 電話０６-４３９５-１１２３
会食交流会 中華料理“萬集楼”
（「大阪港」駅④出口前）
電話０１２０-５７-３３０８
■
お問合せ・お申込み：
※大阪府日中経済交流協会・関西日中関係学会事務局
〒552－0021 大阪市港区築港2丁目8番24号piaNPO
501室
TEL（06）4395－1111 FAX（06）4395－1113
Ｅメール：keizai@mail.infomart.or.jp
＜下記は、講演時配布レジュメ＞
日中国交正常化30周年記念
大阪府日中経済交流協会設立20周年記念
日中関係学会設立10周年記念
公開フォーラム11/16（土）
「中国・観光大国への急速な歩み」
WTO加盟後一年の中国～変わったもの、変わらぬもの～
大阪明浄大学・観光学部教授 鈴木勝
[Ⅰ］中国における国際観光（インバウンド＆アウトバウンド）
☆21世紀国際観光の牽引的役割
世界観光機関（ＷＴＯ－World Tourism Organization）による予測（2020年）
|
「受入国」ＮＯ．１・・・・1億3，710万人 世界全体15.6億人
（上位5位）①中国、②フランス、③アメリカ、④スペイン、⑤香港
＜平均伸率＞＜7.8＞ ＜2.3＞ ＜3.5＞ ＜2.6＞ ＜7.1＞
「送出国」：ＮＯ．４・・・１億人
（上位5位）①ドイツ、 ②日本、 ③アメリカ、 ④中国、 ⑤イギリス
＜人員・億人＞＜1.5＞ ＜1.4＞ ＜1.2＞ ＜1.0＞ ＜0.9＞ |
[Ⅱ］インバウンド観光（受入国として）
＜現況＞
①世界 → 中国 （参考）世界全体 6.25億人・・・1998年
☆現在（2000年）、すでに「世界第５位」の有数の“観光大国” 3,122万人
世界第５位（1990年は12位）。 ＜参考＞日本34位（475万人）
②日本 → 中国
☆2001年:日本人渡航先として韓国を抜き、ＮＯ．１。238.4万人
☆アメリカの同時多発テロで世界全体に落ち込みを見せたが、中国には堅実な 伸びとなった。（2001年伸び率 8.3％増）
③インバウンド観光拡大の要因
☆観光産業のインフラ整備・・・旅の“安心感”＆“快適感”
・ハード・・・・国際水準ホテル建設・国際＆国内の航空路線や便数増加
・道路etc.交通網の充実
・ソフト・・・・ホスピタリティ向上・安全/危機管理
☆観光資源の活発な開発と整備
☆活発で継続的な観光プロモーション（キャッチフレーズによる推進）
☆「中国旅行」における選択肢の多様化・・・・宿泊・食事・観光
☆政治的・経済的・社会的・・・安定性
[Ⅲ］アウトバウンド観光（送出国として）：外国旅行
＜現況＞ ①中国 → 世界 1,047万人 （含む：香港・マカオ）
☆ＡＤＳ対象国（観光目的指定国） 20カ国
②中国 → 日本 39万人 （2001年 前年比11％増）
③アウトバウンド観光拡大の要因
☆1997年「中国公民自費出国旅游管理暫定弁法」制定：観光目的旅行の許可
☆改革･開放政策の進展による中国人の経済的ゆとり
☆労働時間の大幅な短縮（土･日曜の週休２日制、年３回の7連休制度）
・国内旅行の割高感etc.
注] 国外旅行に関して、段階的解禁を実施していく中で、訪中外国人旅行とのバランスを取りつつ、計画的、組織的、制限的に行う方針を堅持
補足 中国人の「国内旅行」・・・2000年:7.44億人
[Ⅳ］中国観光産業とＷＴＯ加盟―中国における観光業の対外開放―
①旅行会社・・・加盟後、外国の旅行会社は合弁・100％外資で企業の設立が許可（「中外合資旅行社試点暫行弁法」中外合弁会社モデルケース暫定法」）
合弁事例：2000年4月「新紀元国際旅行社有限公司」（日中初）をはじめ、現在までの中国との合弁旅行社は11社（米・仏・スイス・シンガポール・香港etc.）
☆外資系旅行会社による中国人の「国内旅行」・「海外旅行」の取り扱い
②ホテル・・・他の観光産業に先んじて開放。中国国内に多くの外資･合弁ホテル建設。（事例：北京市内に合計75社・・・1998年まで）
③航空会社・・・中国民用航空会社の分社化→グループ再編成
☆外国航空会社との業務提携（コードシェア・アライアンス）
④観光施設（テーマパークetc.）・・・観光地開発や技術がさらに活発化
[Ⅴ］まとめ―中国・“さらなる観光大国”への課題―
①インバウンド観光
☆「観光地開発」・「ツアー商品」・・・特色を有した開発・品質向上
☆効果的な観光宣伝・・・共同宣伝手法（地域間・サプライアー同士）
☆人材育成
②アウトバウンド観光
☆競争激化のなかでの品質向上 ☆人材育成
③観光産業
☆観光各企業（旅行会社・ホテル・航空会社etc.）の競争力向上
特に、「外資・合弁旅行会社」と「現存旅行会社」（経営システム改革etc.）
☆中国旅行会社以外の旅行事業担当組織（外事弁公室・その他一般組織）における観光客受入の改革・・・経営システム・安全/緊急対応システムetc.
注] 外資・合弁旅行会社のメリット＆デメリット
表１）「中国への旅行者数／日本人及び世界全体」
|
事項
年 |
日本人
（人） |
前年比増
（％） |
世界全体
（人） |
前年比増
（％） |
|
1989
1990
1991
1992
1993
1994
1995
1996
1997
1998
1999
2000
2001 |
358,828
463,265
640,859
791,531
912,033 1,141,225 1,305,190 1,548,843
1,581,747
1,572,054
1,855,197
2,201,513
2,384,500 |
-
29.1
38.3
23.5 15.2 25.1 14.4 18.7
2.1
▲0.6
18.0
18.7
8.3 |
1,460,970
1,747,315
2,710,103
4,006,427 4,655,857 5,182,060 5,886,716 6,744,334 7,428,006
7,107,747
8,432,300
10,160,040
- |
-
19.6
55.1
47.8 16.2 11.3 13.6 14.6 10.1
▲
4.3
18.6
20.5
- |
|
（資料）中国国家旅游局 (注)「世界全体」には、華僑および香港･マカオ･台湾同胞は含まず。
|
（表２）「中国人／外国旅行者数（香港・マカオへの旅行者数を含む）」
|
事項／年 |
日本（人） |
前年比増（％） |
世界全体（人） |
前年比増（％）
|
|
1994
1995
1996
1997
1998
1999
2000
2001 |
193,486
220,715
241,525
260,627
267,180
294,937
351,788
391,384 |
▲5.6
14.1
9.4
7.9
2.5
10.4
19.3
11.3 |
3,733,600＊ 4,520,500＊7,588,200 8,175,400 8,425,600
9,232,400
10,472,600
- |
▲0.2
21.1 6.3 7.7
3.1 9.6
13.5
- |
|
資料：中国国家旅游局（世界全体）、＊印：香港・マカオを含まず
国際観光振興会（訪日中国人） |
（表３）中国人・入国者数「ADS（観光目的指定）国」（2002年３月現在）
（単位：人）
|
国・地域 |
自由化年 |
1994 |
1995 |
1996 |
1997 |
1998 |
1999 |
6年間伸率94―99 ％ |
|
１）香港 |
1983 |
1,943,678 |
2,243,245 |
2,311,184 |
2,297,128 |
2,597,442 |
3、206、452 |
65.0 |
|
２）マカオ |
1984 |
423,415 |
547,527 |
539,919 |
569,372 |
622,214 |
816,825 |
92.9 |
|
３）タイ |
1991 |
257,455 |
375,564 |
456,912 |
439,795 |
571,061 |
775,626 |
201.3 |
|
４）シンガポール |
1991 |
164,886 |
201,953 |
226,677 |
235,112 |
293,282 |
372,881 |
226.1 |
|
５）マレーシア |
1991 |
95,789 |
103,130 |
135,743 |
158,679 |
159,852 |
190,851 |
99.2 |
|
６）フィリピン |
1992 |
9,259 |
8,606 |
15,757 |
19,093 |
24,252 |
21,220 |
129.2 |
|
７）韓国 |
1998 |
140,985 |
178,359 |
19,960 |
214,244 |
210,662 |
316,639 |
124.6 |
|
８）オーストラリア |
1999 |
29,700 |
42,600 |
54,000 |
65,836 |
76,543 |
97,990 |
230.0 |
|
９）ニュージーランド |
1999 |
6,487 |
8,918 |
13,646 |
17,551 |
16,410 |
23,241 |
258.2 |
|
10）日本 |
2000 |
193,486 |
220,715 |
241,525 |
260,627 |
267,180 |
294,937 |
52.4 |
|
11）ラオス |
2000 |
886 |
1,242 |
1,739 |
6,694 |
7,251 |
20,269 |
128.8 |
|
12）ベトナム |
2000 |
14,381 |
62,640 |
377,555 |
405,279 |
420,743 |
484,102 |
236.6 |
|
13）ミャンマー |
2000 |
― |
― |
― |
― |
― |
（12,148） |
― |
|
14）ブルネイ |
2000 |
― |
― |
― |
― |
― |
― |
― |
|
15）カンボジア |
2000 |
20,782 |
22,886 |
22,029 |
17,282 |
18,035 |
26,805 |
29.0 |
|
16）ネパール |
2000 |
（3,434） |
（4,587） |
（4,846） |
（5,673） |
（5,340） |
― |
― |
|
17）インドネシア |
2001 |
37,096 |
38,895 |
21,739 |
24,984 |
34,327 |
18,732 |
△49.5 |
|
18）ドイツ |
2001 |
102,723 |
117,069 |
132,950 |
142,671 |
161,939 |
178,107 |
73.4 |
|
19）マルタ |
2001 |
― |
― |
― |
（489） |
（522） |
（699） |
― |
|
20）エジプト |
2001 |
4,292 |
5,930 |
7,001 |
6,932 |
8,272 |
11,189 |
160.7 |
|
参考 |
合計 |
― |
3,445,300 |
4,179,279 |
4,578,336 |
4,881,279 |
5,489,465 |
6,855,866 |
― |
|
（前年比） |
― |
―％ |
21.3％ |
9.5％ |
6.6％ |
12.5％ |
24.9％ |
― |
注１）財）アジア太平洋観光交流センター（2001）『世界観光統計資料集』データをもとに作成。
「－」部分は未発表。
注２）「香港・マカオ」は1997年、1999年に各々中国へ帰属したが、１国２制を採用し外国旅行統計上、中国本土と別扱いとしている。
注３）自由化年：香港、マカオ、タイ、シンガポール、マレーシア、フィリピンはそれぞれ「親族訪問」国・地域として承認を受け、次に1997年中国公民自費出国旅行管理暫定規則により「観光旅行」も可能となる。
注４）「合計」: （ ）内数値は合算せず。
（表４）「1990年代における中国観光客数・観光収入額の推移」
|
年 |
1991 |
1993 |
1995 |
1997 |
1999 |
2000 |
|
国際観光客
総数
(万人) |
合計 |
3,334.98 |
4,152.69 |
4,638.65 |
5,758.79 |
7,279.56 |
8,344,39 |
|
外国人 |
271.01 |
465.59 |
588.67 |
742.80 |
843.23 |
1,016.04 |
|
華僑 |
13.34 |
16.62 |
11.58 |
9.90 |
10.81 |
7.05 |
|
香港･マカオ･台湾同胞 |
3,050.62 |
3,670.48 |
4,038.40 |
5,006.09 |
6,425.52 |
7,320.80 |
|
国内観光客
総数（万人） |
- |
41,000 |
62,900 |
64,400 |
71,900 |
74,400 |
|
国際観光収入総額（億ドル） |
28.45 |
46.83 |
87.33 |
120.74 |
140.99 |
162.24 |
|
国内観光収
入総額（億
元）
|
- |
864 |
1,375.70 |
2,112.70 |
2,831.92 |
3,175.54 |
出所：各年の「中国統計図鑑」、「2001年中国旅游局統計便覧」より作成。
王文亮著『中国観光業詳説』日本僑報社、2001年、Ｐ４４．
表５） 中国における旅行社
|
１類 |
２類 |
３類 |
|
○訪日外国人旅行の
直接手配
○中国人の外国旅行の
取り扱い |
○１類旅行社が受けた
外国人旅行者の地上
手配
|
○
中国人の国内
旅行のみ |
＜1997年・改正以降＞
|
国際旅行社 |
国内旅行社 |
|
○旧「１類」および「２類」に相当。
|
○旧「３類」に相当。」 |
|
1,268社 |
7,725社 |
|
合計 8,993社 （2000年現在） |
|
|
