鈴木 勝 研究室
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歴史都市「京都と北京」における
国際観光の現状と課題

―北東アジア地域における国際観光交流・連携を牽引する2都市―

1.はじめに

最近、北東アジア圏に位置する国々(日本、中国、韓国、モンゴル、ロシア、北朝鮮)における国際間の人的交流が活発になっている。しかしながら、この潮流が各国間で均衡が取れた状況であるかと言えば決してそうではない。日中、日韓、中韓などの特定の2国間の人的交流が主体となり、これらの国々以外の流れとの格差が大である。また、活発な動きを示すこれら3国における観光隆盛は、日中韓地域圏連携プロモーションの結果であるかと言えば、そうでもない。独自の国々の振興活動の成果がほとんどである。今後、これらの3国を含めて、当該地域がさらに人的交流を目指すならば、さらに緊密な協力・連携が必要であり、観光開発・振興を進める手法がもっとも有効であろう。このままの状態で進めば、現在の不均衡状態が継続そして拡大することになるであろう。

ところで、近年、北東アジア圏の国際観光を活発にとの掛け声が各種フォーラムなどで発表されるようになってきたが、具体的なアクション・プログラムとなると先に進めなくなっている。今後、北東アジアの観光交流拡大には、システム的な多国間観光協力・提携が不可欠である。身近な参考事例として、アセアン10カ国で展開されている観光交流拡大キャンペーン(アセアン・パラダイス観光戦略Asia’s Perfect 10 Paradise)がある。アセアン地域の国際観光の動きは、北東アジアの動き以上に活発な様相を示している。地域内の強固な観光振興には、まず地域全体の連携および情報発信が重要であるとの認識で、域内外に大々的な動きを示している。また、各種の魅力的な観光特典(地域内コンビネーション特別航空運賃など)を地域内国民以外と同時に域外のツーリストにとって魅力に感じられるものを発表している。他方、域内の観光プロフェッショナル人材養成に力を入れ、アセアン内部で定期的・合同的な教育体制を敷いている。

さて、北東アジア圏での観光振興政策に関して、活性化には単独の国・地域だけでなく、地域全体の協力・連携の必要性がもっとも必要とされているが、初期の段階では、リーダー的で中核的な存在の現出が必要であり、これらが大きく前進させる原動力になる。この観点から、昨年、京都・北京間での観光交流フォーラムの試みがあったが、さらに協力・連携体制が推進されることにより観光交流拡大の可能性が、両都市のみならず、北東アジア地域全体に生ずるであろうと考えるに至った。両都市の観光都市としての現状分析、また現在抱える問題点の解明、さらなる観光振興の方向性を検討することにより、より活発な観光振興が目指せるのではないかとの考えから、本テーマを論ずることにする。

2.歴史都市「京都と北京」における国際観光

2−1.京都における観光の現況と課題

「日本の観光を牽引する歴史都市・京都」  平安建都1200年の歴史を持つ京都は、この期間、政治・経済・文化・技術などあらゆる分野で、日本および日本文化の中心的役割を演じてきた。大都市圏機能と歴史都市・京都の固有の町並み景観や自然歴史的風土を併せ持っていることが、国際観光都市・京都の最大の特徴である。これらの自然歴史的遺産を中心とする京都観光の魅力で、国内・海外から毎年、4,000万人の観光客が訪問する日本の代表的な観光都市を形成している。2003年の京都市の観光客数(日本人および外国人)は、4,374万人であり、前年比3.7%の増加を見せている。しかし、現況を端的に言えば、京都は観光的魅力を多く有しながらも、図表1に掲示されている過去6年間およびこの20年間を見ても大きな伸びは見られず、いわゆる“横ばい”状況を呈している。 

        図表1  京都観光客数(日本人及び外国人)の推移

      

1998年

1999

2000

2001

2002

2003

総数(千人)
前年比%

38,973

38,991

40,512

41,322

42,174

43,740

(0.1)

(0.1)

3.9)

(2.0)

(2.1)

(3.7)

日帰り(“)

29,877

29,868

31,089

31,405

32,059

32,959

宿泊(“)

9,096

9,123

9,423

9,917

10,115

10,781

外国人客(人)
前年比%

400,017

394,588

398,252

383,897

480,828

450,433

(- 3.3)

(-1.4)

(0.9)

(-3.6)

(25.2)

(-6.3)

出所)京都市産業観光局≪京都市観光調査年報≫

一方、訪日外国人の内訳を見てみれば、日本における有数の外国人訪問都市であることを示している。日本への訪問外国人全体と京都への訪問者を比較すると、全体の10%前後のシェアで推移している。国籍別に見ればアメリカ人が常に上位を占めており、欧米の割合が他都市との比較で大きいことがわかる(図表2)。その他、毎年のベスト10カ国には、イギリス、オーストラリア、ドイツ、フランス、カナダなどがランキングに入っている。

       図表2  外国人客国籍別ベスト5(京都における宿泊ベース)  

2000年

2001

2002

2003

 

国・地域

宿泊者数人割合%

国・地域

宿泊者数
割合%

国・地域

宿泊者数人・割合%

国・地域

宿泊者数人割合%

 

@台湾

105,935
(26.6)

@アメリカ

115,937
(30.2)

@アメリカ

130,785
(27.2)

@アメリカ

128,373
(28.5)

 

Aアメリカ

102,351
(25.7)

A台湾

94,055
(24.5)

A台湾

71,163
(14,8)

A韓国

54,502
(12.1)

 

B韓国

29,471
(7.4)

B韓国

30,328
(7.9)

B韓国

51,929
(10.8)

B台湾

50,448
(11.2)

 

C香港

28,674
(7.2)

C中

23,418
(6.1)

C中国

29,331
(6.1)

C中国

28,377
(6.3)

 

D中国

20,311
(5.1)

D香港

21882
(5.7)

Dイギリス

20,446
(5.5)

Dイギリス

24,774
(5.5)

 

 

資料)京都市産業観光局「京都市観光調査年報」

近年、日本全体にアジアからの観光客のシェアが大きくなりつつあるが、京都ではこの現象に連動的な動きは見せていない。この傾向は、図表3の約20年間の、訪日外国人の訪問地別訪問率の下降状況からも状況が把握できるであろう。中でも中国人の伸び率に関して、伸長度は日本全体のそれに比して、決して大きくはなっていない。国際観光都市・京都として、いかに今後、訪日外国人、なかんずく、アジア人を誘致できるかが、全体数を伸ばすことに大きな影響を及ぼすことになろう。 (注) 訪問率とは、「今回の旅行中に当該地を訪問した」と答えた回答者数÷全回答者数×100により求めたもの。 

                 

  21世紀の京都の発展および活性化に、観光・観光産業をあげ、従来の基幹産業といわれてきた繊維産業の不振などを観光で挽回をとの期待の声は大きい。このような時期に、京都市は2001年に、2010年に年間5,000万人の観光客(日本人および外国人)が訪れる我が国を代表する「5,000万人観光都市」を実現するプランを策定し、現在、進んでいる。

2−2.北京における観光の現況と課題

1978年に中国政府は改革・開放政策を打ち出して以来、国家経済発展を推進する資金調達の手段として、観光振興を図り、国際水準ホテルやショッピングセンターの建設、交通網の拡大整備、観光施設におけるサービスや運営など、包括的な観光開発に努めてきた。

国際観光機関(WTO)は、2020年における世界観光の長期的展望の中で、中国の躍進する国際観光に言及している。「中国は、1億3,710万人の外国観光客を迎える『受入国NO.1の国』になり、他方、世界に向けては中国人旅行者1億人を出す『送出国NO.4の国』になるだろう」との予測である。この予測の発表の後に、2001年のアメリカ同時多発テロ発生で世界的に国際観光客の落ち込みを見せたが、中国はこれを克服し、さらに2003年にSARS(新型肺炎)に見舞われ危機に立たされたものの、急速な復旧をほぼ成し遂げている。加えて、近い将来の2008年の北京オリンピックおよび2010年の上海の万国博覧会を当面の国際観光量増強の目標と定め進んでいる。他方、2001年の世界貿易機関(WTO)加盟を機に、中国観光を取り巻くホテル、旅行会社、航空会社などの観光産業そのものが大きな発展を遂げつつあり、中国の国際観光は、いま画期的な時期にさしかかっているといえる。このように躍動する中国にあって中核的な役割を演じてきたのが歴史都市・北京である。多くの歴史上の遺産である、天安門広場、故宮博物院、景山公園、天壇公園、万里長城、明十三陵、頤和園、円明園など見所は多く、世界各国からの観光客を魅了し、2008年の北京オリンピックまで継続して行きそうな傾向にある。

     図表4 北京および上海における外国人訪問者数

項目 年     

世界→北京

前年比

日本→北京

前年比

世界→上海

前年比

日本→上海

前年比

1995年

1,665,246

424,308

1,075,439

485,098

-

1996

1,761,608

105.8

429,506

101.2

1,154,841

107.4

562,672

116.0

1997

1,868,570

106.1

430,439

100.2

1,299,923

112.6

599,690

106.6

1998

1,781,800

95.4

435,156

101.1

1,175,520

90.4

508,921

84.9

1999

2,050,159

115.1

456,451

104.9

1,287,280

109.5

498,935

98.0

2000

2,379,637

116.1

543,319

119.0

1,438,992

111.8

537,565

107.7

2001

2,398,790

100.8

506,662

93.3

1,516,478

105.4

561,094

104.4

2002

2,664,535

111.1

564,546

111.4

2,159,417

142.4

822,625

146.6

2003

1,851,000

69.5

292,256

51.8

1,989,968

92.2

722,604

87.8

2004

2,681,000

144.8

523,059

179.0

-

-

-

-

参考)「上海旅游統計」(上海市旅游事業管理委員会編)
 「北京市観光局」http://www.bjta.gov.cn/2j/lyzl/tjzl.jsp 
  注意)
20032004年度北京数値(世界全体)は概数。

しかしながら、図表4で見られるように歴史遺産に関しては、大差のある上海が、近年、急激に国際観光面で中国内でのシェアを拡大している。まず、世界全体の北京および上海への移動を比較すれば、北京のシェアの緩慢な下降が見られる。他方、日本人の北京および上海への動向は、近年急激に上海シフトをし、現在も継続中である(ただし、2003年はSARSのために例外的な年度と判断する)。

2−3.「京都と北京」における両歴史都市の国際観光上の異同

歴史都市・京都および北京に関して、世界の観光客誘致上、類似性を有する両都市の

比較について数値を中心に行いたい(図表5および6)。  

図表5  日中における外国人旅客数

 

日本全体

前年比

京都

前年比

京都÷全体(%)

中国全体

前年比

北京

前年比

北京÷全体
(%)

1999

4,437,863

394,588

98.6

8.9

8,432,050.0

2,050,159

115.1

24.3

2000

4,757,146

107.2

398,252

100.9

8.4

10,160,432.0

120.5

2,379,637

116.1

23.4

2001

4,771,555

100.3

383,897

96.4

8.0

11,226,384.0

110.5

2,398,790

100.8

21.4

2002

5,238,963

109.8

480,828

125.2

9.2

13,439,497.0

119.7

2,664,535

111.1

19.8

資料)中国国家観光局統計・日本の国際観光統計-2003(平成15年)

両都市の伸び率とシェアに関して述べれば、「京都」における伸び率は平均的に微増というべきであろう。他方、「北京」の伸び率に関しては、この10年間、2003年のSARS時期を除けば、順調でほぼ2桁の伸びを示していることがうかがえる。なお、2001年度における伸びの鈍化は、アメリカ同時多発テロの影響と考えられる。それぞれの国におけるシェアはどのような動きになっているか。「京都」においては日本全体の8−9%、すなわち10%に満たない状況であり果たして国際観光都市といえるかが問われそうである。これに反して、「北京」のシェアは中国全体の20−24%とかなり高い水準で推移している。しかしながら、北京におけるシェアは中国の全体から見れば、近年、下降線をたどり「京都」と同傾向を示している。ところで、日中相互で、両歴史都市をどのように訪問しているかを示したい。中国人による京都訪問が圧倒的に少ないことがわかる。他方、日本人の北京訪問は、2003年度を除いて、20−25%の数値で推移している。4−5倍の差があるといえる。

図表6   日中相互訪問者数

 

中国→日本

前年比

中国→京都

前年比

京都÷日本
(%)

日本→中国

前年比

日本→北京

前年比

北京÷中国
(%)

1999

294,937

15,784

5.4

1,855,197

456,451

24.6

2000

351,788

119.3

20,311

128.7

5.8

2,201,528

118.7

543,319

119.0

24.7

2001

391,384

111.3

23,418

115.3

6.0

2,385,700

108.4

506,662

93.3

21.2

2002

452,420

115.6

29,331

125.2

6.5

2,925,553

122.6

564,546

111.4

19.3

2003

448,782

99.2

28,377

96.7

6.3

2,254,800

77.1

292,256

51.8

13.0

資料)北京市観光局ttp://www.bjta.gov.cn/2j/lyzl/tjzl.jsp    注意)中国→京都、日本→北京は宿泊ベース

3.歴史都市『京都と北京』の観光学部交流・連携上の重要性

国際観光振興上、種々の点で類似性を有する一方、共通の問題点を持つ両都市の交流・連携が重要であるが、どのような側面が考えられるか検討したい。

「古都・歴史文化保存」 この観点から両都市を考慮した場合、より強く相互での交流・

連携が必要とされている。たとえば、「北京の胡同・四合院」と「京都の町家」に関して、両者ともそれぞれの都市の歴史文化を象徴する景観であるが、保存には共通の悩みを有している。京都では、近年、保護保存の意識が高まり運動が盛んになりつつあるが、一方の北京の胡同・四合院は中国の近代化とともに、消滅するケースが少なくない(注:胡同と四合院に関して。胡同(フートン)とは横丁/路地を指す。幅3m程度の道の両側に紅色や灰色の壁が続き、壁の中に四合院と呼ばれる伝統的な住宅が並ぶ。現存の多くの四合院は清朝末期に建立されたという。中庭を囲んで4棟の家屋があるのが特徴である)。

「歴史文化面以外の魅力の潜在性」  すでに検討を加えてきたが、歴史文化を誇る両都市は、国際観光客を大いに魅了しつつあるが、やや停滞の状況にある。したがって、歴史文化以外の面、例えば、近代的な側面―先端技術、ファッションなど−の観点から、新たな観光誘致の魅力を具備していかなければならないと考える。

「外国人誘致手法の情報交換」 特に、京都にあってはこの面での工夫が必要とされると思えるが、外国人観光客の総量の拡大とともに、欧米系以外の外国人誘致の手法に関して、交流・連携が必要とされている。官民による、世界に向けての観光誘致の宣伝組織、情報データ発信、人材養成・配備に関しては、北京の工夫と熱意は注目に値する。

4.まとめにかえて―歴史都市「京都と北京」を中核とする共同観光振興と北東アジア圏―

両歴史都市が現状および問題点を認識する一方、相互に交流・連携を強め、弱点を補強することが可能であれば、北東アジア圏でリーダー的実力を発揮し、当該地域の観光活性化の拠点ともなり、同時にこの地域圏全体を牽引できること、疑いない。「京都・北京」観光推進プロモーションを歴史都市としての観点から、まず観光資源の新たな発掘を行うことが重要である。さらに、異なった視点からの魅力を開発していく必要があろう。

当該地域の大きな問題は、地域全体としての連携的観光振興アクションが、ほとんどとられていないことにあるが、活性化する2歴史都市を核として、各種アクション(共同プロモーションセンター構築、共同観光振興戦略、共同情報発信、共同観光人材育成システムなど)へと着手することであろうと考える。 

5.参考文献

京都市(2001−2003)「京都市観光調査年報」京都市産業観光局
京都市(2001)「京都市観光推進計画―おこしやすプラン21―」京都市産業観光局
上海市(2004)
「上海旅游統計」(上海市旅游事業管理委員会編)
山上徹(2000)「京都観光学」法律文化社
山上徹編著(2001)「おこしやすの観光戦略」法律文化社
鈴木勝(2000)『国際ツーリズム振興論(アジア太平洋の未来)』税務経理協会


(了)

新聞ニュース記事<毎日新聞>

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フォーラム:北東アジアでの交流展望、50人参加−−京都・下京区 /京都

 経済や環境、人材面で北東アジアでの交流・連携を展望する「北東アジア・アカデミック・フォーラム2005in京都」が19日、下京区の京都リサーチパークで開かれた。府企画環境部に事務局を置き約240の個人・団体でつくる「環日本海アカデミック・フォーラム」の主催で、10回目。会員の研究者や企業関係者、一般の市民ら約50人が参加した。

 ダイキン工業で中国担当経験がある八木貞憲・大阪産業大大学院講師は、上海での同社合弁企業の国内向け業務用エアコン生産販売の実績を紹介。商品開発や販売なども含めた事業全体で国内と同レベルの技術移転を進めることが、現地での高生産性の実現につながり、相手国の経済成長を促進するとした。また、こうした日中間の経済交流の妨げとして、小泉純一郎首相の靖国神社参拝と中国の愛国主義教育を挙げた。

 JTBで北京事務所長などを歴任した鈴木勝・大阪明浄大教授は、ともに歴史都市である京都と北京の外国人観光客訪問について比較分析。京都はアジア諸国からの集客が遅れていることを挙げ、先端技術やファッションなど歴史文化面以外でも魅力を備えていく必要を指摘し、北京との連携も提言した。

 韓国と日本の地域レベルでの交流を進めるため昨年12月に発足した「海峡ネットワーク」代表の勝村誠・立命館大政策科学部助教授は、釜山と北九州、舞鶴などでの交流実績を紹介。「国家間の関係とは別に、人々が暮らす地域間で多様なネットワークを形成することが重要」と訴えた。

 環境面では、天野輝芳・島津製作所環境安全推進室課長が、廃棄物排出や資源消費の削減など同社の環境への取り組みを報告。聴衆から盛んな質疑もあった。【太田裕之】


 

2005年03月20日14時22分

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