鈴木 勝 研究室
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平成151022

大阪明浄大学観光学部
  教員各位

       学生各位

国際交流委員会
国際ツーリズム研究会 

2003年度「公開セミナー」のご案内 

「国際交流委員会」と「国際ツーリズム研究会」(未公認クラブ)が下記のとおり公開セミナーを開催することになりましたので、ご案内いたします。

今回の公開セミナーは新羅大学からの短期研修生と在学生との学術交流を目的としております。先生方および学生諸君の厚いご声援をよろしくお願い申し上げます。
なお、プログラムは別紙のとおりとさせていただきますので、ご覧ください。
                                                                       敬具

                                    記

1.日 時:20031119() 13時から15時まで
2.会 場:大学棟
323号室
3.テーマ:『グローバル・ツーリズム』
                    〜日韓の観光事情および観光産業政策〜
 

                                                                          以上 

なお、この件についてのお問い合わせは、以下にまでお願いいたします。

E-mail: m-suzuki@meijo.ac.jp(鈴木勝) または h-kim@meijo.ac.jp(金恵成)

また、公開セミナーに関する内容はhttp://www2.meijo.ac.jp/mei-suzu/mjglobalseminar.htm

 にて、ご覧になれます。


Osaka Meijo University  2003.11.27

公開セミナー「グローバル・ツーリズム」開催 



2003年度公開セミナー「グローバル・ツーリズム−日韓の観光事情および観光産業政策―」が11月19日(水)、本学で開催されました。

当日は観光学部・鈴木教授の講演や、韓国・新羅大学聴講生の研究発表もあり、日韓両国の研究成果について理解を深めました。

 
 
写真= 公開セミナーの模様
     (取材:企画広報課 紙谷武志)    
 
 

 

                                               <プログラム>  

 

 2003年度公開セミナー

「グローバル・ツーリズム」

―日韓の観光事情および観光産業政策― 




2003年11月19日(水)

13:00〜15:00

会場:大学棟323室

 

 

主催:国際交流委員会・国際ツーリズム研究会 

 

プログラム                                   

 

進行:大阪明浄大学 金 恵成

13:00 開会挨拶               遠藤 惣一

                        大阪明浄大学教授

13:05                     国際交流委員会委員長 

13:05 論文発表               「韓国カジノ産業の現況および政策案」

                        キム ヒョンリ(金 R里)

13:15                    新羅大学国際観光経営学科4回生

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

13:15 研究発表               「国内観光の活性化策」 

                       安田 清一 

13:25                     大阪明浄大学観光学部4回生

13:25 特別講演               「私の”関西国際空港と関西の活性化”案」

    「南大阪地域大学コンソーシアム        鈴木 勝

13:45   優秀賞受賞論文          大阪明浄大学教授

                          国際交流委員会副委員長

                          国際ツーリズム研究会顧問

13:45 論文発表               「 南北交流の初め−金剛山(クムガンサン)観光産業

                         パク ウンヒ(朴 恩姫)

13:55                     新羅大学国際関係学科4回生

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

13:55 研究発表               「日本の航空産業の現状と課題」−航空運賃の一考察−

                          井口 智恵・篠原 彩

14:05                     大阪明浄大学観光学部1回生

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

14:05 研究発表            「観光インフラ比較の一考察(南関西と北関東を事例として)

                            緒方 優

14:15                     大阪明浄大学観光学部2回生

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

14:15 研究発表               「航空会社の危機管理(現状と課題)」

                         山田 真規子

14:25                     大阪明浄大学観光学部4回生

14:25 質疑応答                討論者:鈴木 勝

  

14:45

14:45 まとめ                 金 恵成  

                         大阪明浄大学専任講師

14:55                     国際交流委員会委員

14:55 閉会挨拶                緒方 優

                          大阪明浄大学観光学部2回生

                          国際ツーリズム研究会部長


◆        ◆        ◆

 

<以下、研究発表レジュメ ・・・完成次第、このコーナーで発表します>

@論文発表 「韓国カジノ産業の現況および政策案」
キム ヒョンリ(金
R里) 新羅大学国際観光経営学科4回生

『韓国カジノ産業の現況および政策案』
新羅大学観光経営学科
4回生 
キム ヒョンリ
(金 R里) 

はじめに

カジノ産業は観光産業の中でホテル、旅行会社、航空・運輸など関連関部分が多い観光レジャー産業である。
カジノは‘賭博’という概念から集団や家族の生活の中での余暇活動の一つの形態として認識され、先進国では副作用を最少化する政策的配慮とともに、カジノゲーミングによる観光収入、特に外貨獲得の極大化のため、国際観光政策に力を入れている。

 韓国の場合、来韓観光客を主対象とする観光産業は過去何年間急増し、活気をみせている。しかし、外貨収入はむしろ激減している。それは、観光資源の不足により、外国人の消費が少ないからである。また、同業種間の価額競争がその原因として考えられる。
世界水準の大型化、高級化するカジノこそが観光客の余暇生活を充足させることができ、急速に消費を促進することができるので、観光収入を極大化できる代案である。そのためには、政府の積極的な政策的支援が必要である。
 本研究ではまず、韓国のカジノ産業について検討して分析し、次に、世界カジノ産業との比較を通じて、韓国カジノ産業を特徴付ける。最後に、韓国カジノ産業の活性化のための政策案について考える。
 

T 韓国のカジノ産業の現況

1 カジノ産業の発展過程
(1)
カジノの定義
A
 歴史的意味
 カジノはイタリア語(
Casa、家、ハウス)が語源で、賭博、音楽、ショー、ダンスなど様々な娯楽活動を楽しめる宴会場の意味で、ルネサンス時代に貴族が所有していた社交や娯楽用の別館を言う。 

B 観光産業的意味

多様な観光欲求をもっている観光客を誘引して新しい観光需要の創出を通じて観光産業を振興される触媒者の役割を強調している。
 内外国人を帯状で良質の外貨を獲得して、国際収支改選、税収収入増大、地域経済発展、投資自国、雇用創出などの再効果を極大化される観光産業で、新しい戦略産業で登場している潜在力がとても高い産業と言うことができる。
 

()韓国カジノ産業の発展過程

年 度

発展過程

1961 

 1967年

1969年 

1990年代初

1994年

2002年

‘復表発行現象他射幸行為取締法’の制定で国際カジノ産業の導入根拠をつくる。国内最初のカジノとして、IN-CHON オリンプスホテルカジノ改装

内国人出入禁止に関する規定を制定。

外国人観光客収容施設拡充とともにカジノ企業が増加。

JEJU地域限定のカジノ産業規制緩和措置。

観光振興法の改正により、カジノ産業を観光産業に分類。

KANGWONDO JUNG-SOUN 廃鉱地域にカジノ開場。

資料出所 『カジノ産業の理解』、Lee Chung Gi、1999。 

2 韓国カジノ事業の現況−韓国ホテルにおけるカジノ開設現況(1998)

地域

ホテル名

客室

営業所

ゲーム台数

従業員数

入場客数

売上高額

単位:100won

Seo

Sheraton

597

758

7

84

113

763

510,199

163,900

Pus

Paradise

250

435

7

31

20

323

80,892

44,617

Inc

Olimpos

175

299

6

29

-

208

13,060

7,422

Kyo

Hillton

324

105

6

12

45

33

13,417

4,371

Kan

Sulak Park

121

136

6

12

25

29

2,277

1,230

Jej

Jeju Land

524

344

6

32

50

188

34,637

21,588

Jeju Kal

310

371

5

22

-

190

10,354

12,248

Crown Plaza

282

311

5

23

50

129

7,788

8,865

Oriental

306

237

6

22

-

124

5,906

3,738

Hyatt

224

332

5

23

-

113

418

727

Silla

430

560

5

19

15

123

6,438

12,766

Seoguipo kal

221

131

4

15

-

28

101

5

Ragonda

310

350

4

23

-

82

3,644

2,587

                   

資料出所 『韓国カジノ観光協会、2000』。 

U カジノ産業の効果

1 韓国カジノ産業の特性

 

肯定的な面

否定的な面

経済的

特性

・人的サービス産業、労働集約的
産業で高い雇用創出効果
・政府の税収確保、外国為替保有庫および観光収支改善に寄与

・資金が非生産的、投機的賭博に投入され、資源配分の偏重、歪曲
・カジノ収入が地域開発振興につながらない場合、当該地域の社会崩壊可能性

社会、文化的特性

・多様な娯楽的要素の結合で総合遊楽空間として活用
・制度内に吸収、養成することにより、陰性的・不法的活動による
租税逃れや犯罪防止

・賭博を罪悪視する韓国の伝統社会の倫理観に置かれる
・射幸心助成、一攫千金主義で勤労意欲低下を招く
・地域および国家のイメージ失墜、脱税および非正常的な資金の洗い手段として利用
・管理、監督が完全ではない場合、麻薬、売春、暴力組織等の連携拡散

資料出所 『韓国カジノ産業育成発展のための提言』、OMun-Hwan、1999。 

2 カジノ産業の有形別比較

 

ヨーロッパ型

アメリカ型

開発途上国型

カジノの特性 

・賭博と社交、文化
活動との結合

・賭博とレジャー、娯楽、文化との結合

・賭博中心のカジノ文化のみを導入

導入目的  

  

 

・余暇活動の一つの形態
・公益基金確保
(フィンランド)
 

 

・制定収入の拡大
(
ネバダ州)
・特定事業および開発(コロラド州と
インディアン保護区域)
・他の地域(ドミノ現象)

・財政収入拡大
(マカオ、フィリピン等)
・外貨獲得
(ネパル、モロッコ、エジプトなどの内国人出入禁止国家)

投資規模

・小規模

・大規模
(ホテル+カジノ+テーマパーク)

・小規模

規制の特性 

・潜在的賭博需要抑制

・自由放任型 

・多様化 

該当国家または地域

・イギリス、フランスなど西ヨーロッパ大部分

・アメリカ、

・東ヨーロッパ、アジア、南米、南アフリカ共和国

資料出所 『カジノ産業の政策課題と対応方向』、産業研究院、2000。 

3 他国のカジノ産業との比較

区 分

他 国

韓 国

胎動及び発展過程

・中世ヨーロッパ貴族社会の社交
手段
・アメリカのネバダ州で1931年に初商業化以降、大形化および高級化で全世界カジノ産業主導権掌握

1967年外貨獲得を目的にIn-chon
オリンプスカジノ設立
1990年代5つのカジノ場を追加・改装し、総13個のカジノを営業中

需要基盤および供給規模

・豊富な内需市場を基づく
(内国人:75%、外国人:25%)
・総数制限、立地条件規定などを通じて供給規模統制

・外国人専用
・市場規模が制約されているにもかかわらず、供給規模過多(東洋最多)
・供給規模調整が不十分

売上実績

・持続的増加

・1995年以降持続的減少

政策支援

・経営はカジノに委任
・一貫的で友好的政策樹立および
施行でカジノの大型化と高級化を誘導

・外貨獲得事業であるにもかかわらず
総合的政策支援よりも過多規制および一貫性のない政策施行

租税制度

・売上によるゲーミング税金納付、
基金納付なし

・売上による法人性納付
・売上による10%前後の観光振興開発

基金を別途納付
・特別所得税の賦課対象

外国人投資

・一般に徹底した検証や関連法を
補完後、許可

・1999年5月1日に全面自由化関連
法律不備

通合担当機関

・カジノ業専門機関運営(アメリカ:ゲーミングボード、コミッション)

・総括専門機関なし

向後展望

・豊富な内需市場
・政府の積極的支援により、国際競争力強化

・供給超過で過多競争
・育成方案の不備と各種の規則などで

考査危機

資料出所 『韓国カジノ産業育成発展のための提言』、OMun-Hwan、1999。 

V 結論
 21世紀に入ってから、サービス産業は他の産業に比べてその比重が多くなっている。
上の研究を見ると韓国のカジノ産業の分析の結果韓国は昔から儒教思想が深く根を打ち込まれていてカジノは本来の意味より度縛の意味をもっていたせいか世界的で見るとあまり発展したとは言えない。それで、カジノ法改正などの政策方案を通じて世界的にもっとよい地位を取るべきだ。

 

A研究発表「国内観光の活性化策」 
安田 清一
        大阪明浄大学観光学部4
回生
<レジュメ>
             
                         
 国内観光の活性化策
                                 
安田 清一

□はじめに□
 今まで日本は「観光」はあまり重要なものとは認識しておらず、大きな政策を打ち出してはこなかった。そのため、国内観光は停滞を続け、日本を訪れる外国人の数も国際的には低水準(2001年の外国人旅行者受入数国際ランキングで日本は477万人で35位)となっている。そのため政府も近年観光政策を積極的に推進するようになってきた。

 ようやく、日本は「観光立国」への道を歩みはじめた。政府は、観光振興によって経済効果が向上すると考え、国を挙げて観光立国に取り組み始めた。小泉首相も「海外からの旅行者の増大と、これを通じた活性化を図っていく」との方針を示している。「観光振興に関する副大臣会議報告書」も取りまとめられるなど、観光に関する様々な取り組みが行われている。このように、観光振興は、極めて重要な国の政策となっており、今後、観光政策により、一層強力に推進することである。 

第1章:観光振興への高まる期待 

観光振興とは何か、『観光振興とは、地域住民、地方公共団体、観光関連団体、観光企業またはそれら幾つかの連携したものが主体となって、主に観光地の開発、観光イベントの開催、土産品(特産品)の開発により観光客を創造、増加あるいは維持をして、地域経済を活性化するとともに、地域文化を発掘・創出し、地域住民に生きがいや誇りなどをもたせる地域づくり』(長谷政弘編著『新しい観光振興』同文舘、2003年、P.8)と言える。これを簡単 に述べるならば、『観光からの町づくり・村おこし』となる。
 近年、『観光振興』が注目を集めているのは、産業界、地方公共団体等あらゆる分野で観光によって日本経済が改善される期待が非常に高まっているためである。その理由としては、観光によって消費される金銭が多く、経済が向上をし、多くの産業に広がっていくためである。多くの人が旅行すれば、交通・飲食・宿泊・土産品など様々な分野が潤うのである。観光産業は多くの分野に影響をあたえることができる。

 このように観光産業は、日本経済の向上の重要なポイントとなる。日本は現在海外旅行者の方が多く国内旅行者は低迷している。今、海外へ旅行している人々と同様に 、国内の観光地を訪れ、外国人ももっと多く日本に訪れれば日本の経済は改善され、活性化する。現在、多くの海外の国でも観光産業によって経済面・国際交流面でも活性化しているといえる。 

第2章:国・地方公共団体等の施策

 国内の観光の再生に向けた取り組みとして、 政府は「2010年はテン・ミリオン(1,000万人)」の訪日外国人誘致プランを発表し、「ウェルカムプラン21」等様々な政策を打ち出し、観光立国としての道を歩もうとしている。国・地方公共団体等の連携により、「広域連携観光振興会議(WAC21)」、「旅の総合見本市(旅フェア)」を開催するとともに、伝統芸能等の活用を通じた地域観光の活性化のために取り組んでいる。広域連携観光振興会議(WAC21)の開催は、21世紀に向けた観光の新しい課題に対応していくため、「広域連携」、「地方主体型」及び「イベント連携・実体験重視型」の方式による地方ブロック単位の会議を開催し、広域での観光振興を図っている。
 旅の総合見本市(旅フェア)の開催は、国内旅行の促進と旅行と通じた交流人口の増大による地域の活性化を図るため、送客側と受入側の地方公共団体と観光産業とが協力し、幅広い消費者をターゲットに新しい国内旅行の提案、旅についての総合的な情報の発信と交流、旅の魅力をアピールする展示と実演等を行なう旅のイベントとして開催されている。
 

第3章:観光地からの戦略

 観光振興は、地域の活性化策のなかでも経済への影響が大きいことや、今後、観光客の増加が見込まれることから、多くの地域で行われてきた。しかし、観光振興で成功している地域は必ずしも多くはなかったといえる。
 理由として、基本的に観光振興に対する認識、方法の知識が不足いたためと考えられる。それに、魅力ある観光地づくりが十分できていないことも挙げられる。それに各観光地が同じような観光振興をし、地域それぞれの歴史・文化・伝統が無くなってしまい、地域の特徴・個性・まちの魅力が失われてしまっている。各観光地が魅力を十分に生かし切れていない。観光客のニーズの多様化、高品質化に対応するため、地域固有の自然・歴史・文化 ・伝統などの資源を活用した個性ある地域づくりが必要となる。しかし、観光振興により活性化した地域もある。その幾つかを挙げてみる。
 

○美山町(京都府)
 美山町は山間部の町で林業の衰退と共に活気を失ったが、観光振興により、活気を取り戻した。山間部のため豊かな自然、野生動物の宝庫とされる芦生の森、なにより、かやぶき民家が多く残っていたためそれを観光資源に活用し、「日本一のかやぶきの里」として世間に知れわたり、日本の原風景が残る町として観光ブームがおきている。かやぶき民家・芦生の森・美山川というかつてはどこにでもあった日本の風景を観光資源として、素朴さを生かした町づくりを行っている。
 

○竹富町(沖縄県)
 沖縄県は日本で唯一の亜熱帯・海洋性気候風土のもと、恵まれた自然景観と独特の伝統文化や歴史など魅力的な観光・リゾート資源を有している地域である。その中でも竹富町は多くの島々を有している。そのため、自然環境それに歴史・文化をうまく利用をして、この地域に活気を与えるという旅のスタイルで町づくりを行っている。このように自然を活用しながらも保護していくというエコツーリズムのスタイルで観光振興を行っている。

 これら2つの地域以外にも観光振興によって活性化した地域がいくつかある。 「温泉街全体で観光客を伸ばしていこうという考えで『温泉手形』というものを作り多くの観光客が訪れるようになった熊本県黒川温泉」・「『民話のふるさと』として有名になった岩手県遠野市」などこれらの地域は、その土地にある自然・歴史・伝統等を観光資源として観光振興を行ってきて、多くの観光客が訪れるようになった。だから観光振興するのに無理に施設を造ったりしなくてもいいのである。その土地のものを利用し生かしていけばいいのである。
 観光地の活性化への戦略の第1歩目は、自分達の地域のことをもっとよく知ることから始まると考える。
 

  □まとめ□

観光は、ゆとりある生活をおくるのに重要であるのみならず、国際親善や地域振興、産業・雇用の創出に非常に大きな役割を果たしている。人々にとっては、観光は生きがいや安らぎを生み出し、国際社会にとっては、国際親善、国際平和に貢献するものである。また、観光は、地域にとって、訪れる人を増加させ、地域の活性化に大きく関わり、特に旅行業、宿泊業、飲食業、アミューズメント産業、土産品産業、旅行関連産業等幅広い分野を通じて、産業や雇用に大きな役割を果たしている。そのため、観光振興の必要性をもっと認識することが重要なのである。

  □参考文献□

長谷政弘編著『観光学辞典』同文館、1997
総理府編『観光白書15』(大蔵省印刷局発行)2003年
国土交通省『グローバル観光戦略』2003年
国土交通省『観光振興に関する副大臣会議報告書』2002年


(了)
 


B論文発表「
金剛山(クムガンサン)観光産業に対する世界の認識」
→(テーマ変更)「南北交流の初め−
金剛山(クムガンさん)観光産業」
パク ウンヒ(朴
恩姫)  新羅大学国際関係学科4回生
 

南北交流の初め−金剛山(クムガンさん)観光産業        

                                 Silla University International Relations                                                          Park Eun-hee 

 はじめに

 1998年11月18日から始まった金剛山観光は韓国の民間人が北朝鮮を旅行できる画期的な出来ことである。金剛山観光は、19986月、現代グループと北朝鮮が締結し、同年8月現代商船、現代建設、そして金剛開発の協力事業者が承認した。そして11月観光船である『金剛号』が初出航した。南北交流の活性化のため始まった現代グループによる金剛山観光開発は、韓国政府の「太陽政策」とともにより活発に行われた。 

T.本論

1.金剛山の紹介
1)
位置
江原道 高城郡 金剛郡そして通川郡に位置している。

2)
総面積
南北の長さが約
60km、東西の幅が約40km、総面積は530 にもたっして、その高さは1,638mである。
3)
金剛山の気候
我が国で比較的に暖かく湿気の多い地域に属する金剛山は植物がとても多様で、豊富である。金剛クッス木、金剛チョロンを含めて金剛リュウキュウコザクラ、マンリ花などあって、韓国特産植物もいろいろあるし、また、多様な季節植物が飾られて金剛山の景色はとてもきれいだ。

4)
金剛山の写真(しゃしん) 

2.金剛山観光産業の推進現況及び計画
 1)
第1段階 遊覧船による金剛山 観光採択
(1)事業者
   現代3社 現代商船、現代建設、金剛開発産業
  事業対象:北朝鮮 アセア太平洋委員会
 
(2)
事業内容
 金剛山観光及び開発
 観光商品開発及び販売、観光船運航、観光基盤施設及び便利
  施設設置運営
(3) 観光船運航
 区間:東海岸からチャンチョン港まで
 航路沿岸12マイルで直港路利用
 運港距離 及び所要時間:12時間
(4)
北朝鮮側に支払う観光客 1名当経費:300ドル
(5) ほかに 
2001年まで一日1000名から2000名 観光船を利用して当日及び一泊二日から10日間まで宿泊をしながら観光をできるようになった。

2)
2段階事業
観光地域にホテル、スキー場、ゴルフ場、温泉、遊園地及び民族村、海水浴場、空港などを含めた総合観光団地開発事業、北朝鮮側との合意したように
2004年まで6年間観光船にたいした観光事業を持続することになっている。

3)
3段階事業
2005
年から2段階事業を増えてホテル、スキー場、ゴルフ場、海水浴場などを追加で建設し、文化村、研修院、大規模国際会議場などを新しく建設して年間150万名以上の観光客を誘致する計画だ。 

3.金剛山観光産業の平価
1)肯定的な側面
 韓国と北朝鮮の間の接触面拡大と対外的で対北抱擁政策に関する説得力を確保するようになった。
2)不定的な側面
 金剛山観光産業で比較的大きな規模のドル輸入に可能になって、その他の韓国と北朝鮮の間の交易量が減少になった。あるいは、国内資本の海外流出と高費用構造、単純観光活動、限定的市場規模など不安定的要素を含めている。
 

U.結論

金剛山観光事業の展望は韓国と北朝鮮の共同必要性の中で、推進になって、ほかの協商とはほかにかなり長い期間持続拡大すると予測している。しかし、1998年現代側とアセア太平洋委員会の合意書にはさまざまな問題が発生して、今後からの事業推進が不透明だ。また、現代側の200年 チョンジュヨン名誉会長の死亡と今年84日チョンモンホン会長の突然の投身自殺による金剛山の観光産業の事業推進は今後不備な状態で残っていて、大変なことになりそうだ。
 

C研究発表 「日本の航空産業の現状と課題」
           ―航空運賃の一考察―

井口 智恵・篠原 彩 大阪明浄大学観光学部1回生
 

「日本の航空産業の現状と課題」

―航空運賃の一考察―

井口 智恵・篠原 彩

 T]はじめに

 日本および世界の航空産業には様々な問題があるが、その問題の最も大きな要因の一つと思われる航空運賃に関心を持ったので、本セミナーではこれについて調べる事にした。国内運賃と国際運賃の現状と共に、運賃体系の仕組みについても考察し、問題点や今後の課題を述べていきたい。 

U]航空運賃の現状
@)国内運賃の現状

@    
運賃体系の移行

路線別原価方式   一座席あたりの原価と路線の需要と供給を考えて決定する方式。同じ距離でも乗る飛行機によって値段が違うので公平ではない。

 

 

標準原価方式    飛行機を運行するにあたって生じる費用(燃料費、空港使用料、機材維持費等)を合算したもの。利用者にとって高く感じられた。

 

 

  幅運賃制度    標準価格を上限として25%下までの幅であれば、航空会社が自由に運賃を決めることができる制度。利用者のニーズに応えている。 

『幅運賃制度の目的』
                      @利用者の利益の増進。
           A航空会社同士の競争によって経営を活性化させる。

 

 しかし、運輸省(現・国土交通省)の移行によって、幅運賃制度も廃止された。それと同時に日本の国内航空運賃は、航空会社がそれぞれ自由に運賃を決定できる仕組みになったのである。 

A     運賃の現状
国内航空運賃の比較「日本vs海外」
・内外価格差(注)は日本が海外より普通運賃では安く、割引運賃では高くなっている。しかし、運賃の種類によって一概にそうとは言えない。
・普通運賃は前日までキャンセルが可能なため、ビジネス客が多いが、全利用運賃の 中では占める割合が低い。一方、割引運賃は、何日前までに購入するなどの制限があり、旅行などの目的での利用が主流になっている。
・ 航空会社が負担する費用は、海外より日本の方が燃料費や空港使用料の比率が高い。
(注)同一ないし同種商品の国内価格と海外価格との間に生ずる差をいう。
出典「観光学辞典」長谷政弘編著
 

A)国際運賃の現状
@    
運賃体系の移行
国際航空運賃は、主に三つ挙げられる。

       普通運賃      IATA(国際航空運送協会)(注)の運賃会議で二国間ではなく多国間で討議され、採用される。 

     格安航空券     団体包括旅行運賃(GIT)の一部販売。              

     新運賃     格安航空券を排除するために1998年に導入された運賃。

       IT運賃・・・包括旅行運賃。パッケージツアーに利用される運賃。従来団体用に適用されていたものが個人でも利用できるようにした。パッケージツアーとして航空券や宿泊費等が含まれ、航空運賃は明示されていない。      

       ペックス…往復旅行のための割引。予約変更や払い戻し等の制約が大きい。利用者に運賃が明示されている。

 

(注)IATA(国際航空運送協会) International Air Transport Association 

    1945年設立。機能としては、運賃の調整、運賃精算、運送に関わる標準方式の設定などがあげられる。
出典 「観光学辞典」長谷川政弘編著 

A運賃の現状

不当な値下げ競争に終止符を打つために、IT運賃やペックスが導入された。しかし利用者の求めている価格と、新運賃とでは大きな開きがある。そのため、現在も格安航空券は変わらず出回っている。 

V]航空運賃の課題および展望
@)航空会社     安易な価格競争を避けるべきであり、内外価格差をいかに縮めるかが今後の課題である。
A)消費者      運賃の構造を理解し、自分のニーズにあった航空券を購入するべきである。 

参考文献:「よくわかる航空業界」井上雅之

     「新JAL VS ANA最後の攻防」杉浦一機

     「航空大競争」杉浦一機

         「航空運賃の攻防」山内弘隆

         「日本航空 全日空」大橋英五

 

D研究発表  「観光インフラ比較の一考察(南関西と北関東を事例として)」
緒方 優       大阪明浄大学観光学部2回生
<レジュメ>

1.
この研究の目的と背景

南関西と北関東地域の類似した交通システムについて考察をしたい。両地域はそれぞれ東京及び大阪の2大首都圏の郊外的な場所にあり、国際空港の存在をはじめとして鉄道網、高速道路を中心とした自動車ネットワークなどの交通アクセスが似通った環境にある。

2.研究対象
自分自身の体験をもとに南関西からの都心へのアクセスと北関東から、東京都心へのアクセスを研究対象とした。

3.南関西と北関東地域における観光インフラの現況

T)国際空港の存在:
南関西には関西国際空港が存在する。そして、和歌山県には南紀白浜空港があるが、南関西には影響は与えていない。
 また、北関東には空港は存在しないが東京国際空港と新東京国際空港が北関東に大きな影響を与えている。

U)鉄道ネットワーク:
南関西の鉄道の現況:
 和歌山市以南と和歌山県中部と泉州地域の阪和線と南海線の中間域の交通の不便さである。奈良県も大阪都心及び京都へのアクセスは中北部地域に限っては、奈良線と近鉄線が頻繁に運行されており非常に便利である。しかしながら、奈良市以東及び以南地域に限っては極めて不便である。

北関東の鉄道の現況:
 まず、茨城県の交通システムは、常磐線と鹿島臨海鉄道大洗鹿島線そして関東鉄道によって、一般的な交通システムが構築されている。しかし、運行頻度は常磐線に限っては、中部地域までは、
20分に1本運行し、また山間地域に関しては1時間に1本である。また、茨城県の沿海部は40分に1本である。

次に栃木県を見てみたい。栃木県は東北新幹線、東北本線、東武鉄道によってそれぞれ、10分から20分で電車や列車に乗れる。さらにこういう交通システムもあってか自動車との兼ね合いがとれており北関東では渋滞状況は最低レベルである。

最後に、群馬県は北関東最西の県である。この県は、上越新幹線、上越線がおおよそそれぞれ30分に1本運行されている。しかしながら、群馬県東部地域は、両毛線が存在するものの、1時間に1本である。また、赤城おろしの大風による運休も多い。

V)高速道路ネットワーク:
 南関西の高速道路に見られることは、阪神高速道路と日本道路公団が管轄する高速道路への接続がなされていることである。
これと同時に北関東のネットワークは首都高速道路と日本道路公団が管轄する高速道路に接続をしている。

5.両地域における問題・課題

T)鉄道ネットワークの問題・課題
 鉄道の弱点は気象状況や他の交通との事故、さらに人身事故が一度でも発生したならばその対象路線は当然のこと周辺の線全てが大混乱を起こしてしまうことである。

U)高速道路ネットワークの問題・課題
 高速道路は交通集中による大渋滞、そして他の車との交通事故が発生すると行動が予定どおりに動かなくなるというデメリットがある。北関東は東西の高速ネットワークが未開発であり、一方、南関西においては南北の高速ネットワークの開発が未発達な状況にある。これが原因で旅行時間が標準よりも多く時間がかかったりしている現実がある。本研究の両地域は対称的である。

V)環境破壊
 特に自動車は電車と比べると二酸化炭素を多く排出をする。すなわち、温暖化をさらに悪化させることである。ということは、二酸化炭素を出さなければよいことである。考えられることは、一般道路(私道を除く)や高速道路において、一人のみの乗車で運転走行をする場合には一定の環境協力金という形で一定の料金を徴収するもしくは料金は徴収せずに、大人数乗車専用車線を設けて優先的に走行させる施策を行ってもよいのではないかと思う。

6.問題点解決の一手法

T)レンタサイクル
 各駅に自転車を置いて、駅から降りてきた乗客に対してもしくは市内からの利用希望客に対して自転車を貸し出し、そして他の駅でも相互乗り捨てを可能なようにするレンタサイクルがあってもよいのではないかと思う。

U)自転車道路の整備

 国道をはじめとする多様な道路の歩道は自転車との混合交通である。道路交通法では自転車は道路の路肩を走ることになっているが、現実は歩道を使って走ることも可能である。ここで出てくるのは、一般歩行者への配慮である。歩行者と自転車の分離を道路上ではっきりとさせることが重要である。

7.終わりに
 観光インフラについて、今まで見てきたが、決定的な解決手法が無いのが現状である。自動車の使い方や電車の利用促進に関してもまだ議論の余地がある。これからの観光・生活課題として一人、一人が考えてみるのも良いのではないかと思う。


 

E研究発表「航空会社の危機管理(現状と課題)」
山田 真規子     大阪明浄大学観光学部4回生

<レジュメ>

T
]はじめに

 航空会社における危機管理は多岐にわたるが、本研究は旅客機と空港の接点に関しての危機管理について、研究発表を行いたい。なぜならば、このテーマを選んだのは、現在関西空港で、手荷物検査場でアルバイトをしているが、近年、危機管理の重要性を再認識される事態が続出しているからである。
2001年のアメリカ同時多発テロ、今年、イラク戦争やSARSの影響によって、航空機を利用する人が激減している現状を見ている。そこで、航空会社および空港はこのような事態にどう対処し、どのような危機管理を行っているのか調査研究をした。 

U] 危機管理の意義

 まず、危機管理という言葉を聞いて連想されるものとして、リスクマネージメントがある。危機管理とリスクマネージメントは少し違い、欧米では、リスクマネージメントは、リスクや危険などの不確定な障害を把握した上で、日常的に対処するものだと考えられている。危機管理とは、リスクが発生し緊急事態になったときに、危機といった状態になったものを処理するのが危機管理だと考えられている。

一言に航空会社の危機管理といってもたくさんある。例えばテロやハイジャックに対するもの。これらは2001年の9月11日のアメリカ同時多発テロ以来、特に重要性が叫ばれている。その他には、航空機事故によるものなどがある。これらのことは、いつ、どこで起きるかわからない。航空会社は危機管理と共に、リスクマネージメントを十分に行っていく必要がある。日本はリスクに対する意識が低いといわれている。それは、なぜなのか、このようなことが起きたとき、航空会社はどのような危機管理を行っているのか調べて行こうと思う。 

V] 危機管理の現状

 2001年9月11日のアメリカ同時テロ以来、危機管理について重点が置かれている。このテロと今までのハイジャックとは性質が全く異なる。今までのハイジャックは、乗客・乗員の安全第一で、犯人の要求に従い、どこかの空港に着陸させ、その後対処するのが一般的だった。しかし今回のように、ハイジャックがテロの要素を含むようになると、密室状態の機内の中では、助けを求めることはなかなか難しくなる。そこで、乗客も戦士となり一緒に戦っていかなくてはならない。テロが起こることによって安全な航路の確保すなわち航空機自体の安全確保としての対策が必要となる。同時多発テロ後空港管理者に対して、航空警備の徹底を要求した。ハイジャック対策として、国内線、国際線ともに機内にナイフ類等の持ち込みを一切禁止の措置をとり、その他の航空保安対策の強化を指示した。また、検査機器の増設・更新を行った。旅客機の客室側から操縦室への侵入を防ぐための操縦室のドアの強化が必要である。これは国際民間航空条約の基準に従ったドアの強化を、200311月を期限として全ての旅客機に実施する。そのため保安強化に伴う費用も増加している。またテロ後、旅客・貨物収入が減り、経営を圧迫させている。現在は、検査機器の購入費用や検査費の人件費については、空港整備特別会計と航空会社が半分ずつ負担している。これを国が負担してくれることにより、航空会社の負担も少しは軽減される。 

W]今後の課題

 第一に、保安強化で多大な費用がかかっているので、その費用をまかなうためには、航空会社の利益増加が必要だ。そのためには、航空会社は旅客・貨物による収入増加を図らなくてはならない。第二に、国及び企業は航空会社により一層保安強化をしてもらうために、連携していかなくてはならないだろう。なぜならば、保安強化をすることにより空路の安全が保たれ、旅客や貨物をスムーズに輸送でき、国及び企業も利益を得ることが出来る。最後に、私のアルバイトでの体験に基づいた意見として、航空会社を利用する旅客の保安強化に対する意識の低さである。利用客は手荷物検査をあまり積極的に協力しようとしない。各々がもっと危険意識を持ち、積極的に協力していかなければ、航空会社が、保安強化を実行しても効果は薄い。また、各々が危険意識を高めることによって、テロやハイジャックを水際で防ぐことが出来ると私は考える。
 

X] 終わりに

 対策を練っていても何も起きないかもしれない。しかし、何か起きてからでは遅いのだ。そして、何も対策を練っていなければ、対応の仕方にも困難を極めることとなる。危機管理やリスクマネージメントは起きてからでは遅く、起きる前から対策を練っておくことも危機管理の重要な要素だといえる。基本的な対策としては、標的となりそうなところには行かない。自分の身は自分で守る。ということが言えるだろう。備えあれば憂いなし。というように、日ごろから一人一人が危険意識を持って行動することが必要である。

Y] 参考文献

·           米国同時多発テロ事件に伴うわが国航空会社への影響について(国土交通省)http://www.mlit.go.jp/kisha/kisha01/12/121002_.html

·           国内テロ対策―民主党ネクストキャビネット

  http://www.dpj.or.jp/seisaku/sogo/BOX_SG0044.html

·           テロと危機管理―ハイジャックテロ対策

  http://www.geocities.jp/ntt21c/1aksl7.html

·           危機管理とはーテロ事件

  http://www.meijigakuin.ac.jp/~kawamura/essey-c17.htm

·           テロの現状と危機管理について

  http://www.ginga.or.jp/~isikyo/tayori/49/04.htm

·           国土交通省におけるテロ対策について

http://www.cgt.mlit.go.jp/koukan/terrorism.html

 

F特別講演『私の”関西国際空港と関西の活性化”案 <要約>
 
「南大阪地域大学コンソーシアム」 優秀賞受賞論文」
大阪明浄大学教授  鈴木 勝

[
]
[
T] 「関西国際空港と関西」を取り巻く現在の環境
@)東京一極集中化と関西空洞化現象

A)成田空港・羽田空港への航空輸送力シフト

[
U]  「関西国際空港と関西」の課題とこれから目指すべき道
@) “観光中枢拠点・関西”

A) 日本の“ゲートウエイ・関西空港”
B) 「観光産業」と「モノヅクリ産業」との調和 

[V]  「関西国際空港と関西」活性化への具体的戦略
@)「グレーター関西ツーリズム州」(
Greater Kansai Tourism State)の構築
@「グレーター関西ツーリズム州」と政府
A「グレーター関西ツーリズム州」の具体的戦略

<宣伝・プロモーション>
・ 観光アピールとプロモーション活動
    
マーケティング分析に基づいた情報発信
    
近隣諸国との共同観光プロモーション

<渡航緩和政策>

    
外国人渡航緩和政策(VISA緩和免除・トランジットVISA・地域/期間限定VISA免除)
<企業
/起業支援政策>
・ インバウンド企業・起業支援政策

・ 海外企業・外国人による訪日旅行ビジネス参画への促進
<異色の観光商品開発・振興戦略>

・ 国際会議、産業観光、トランジット、青少年修学旅行

A)「日本のゲートウエイ・関西空港」としての具体的戦略
@    
関西空港利用増加政策(直行便誘致・日本国内経由便増加)
A    
訪日外国人・日本人国内旅行客増加政策
    
関西空港トランジット客

B)人材育成と登用
@インバウンド担当スタッフ・外国人マネジャー・女性ホスピタリティ担当者の増強
Aガイド・インタプリター・通訳・レンジャーの養成

B「大学・専門機関のインバウンド教育」と「グレーター関西ツーリズム州立観光大学」設立
[
W] 終わりに
[
X] 参照  

私の「関西国際空港と関西の活性化」案    <要約 800文字>
 
21世紀に入りさらに「大交流時代」が進み、世界の旅行や航空輸送は拡大化の様相である。わが国の観光もこれに呼応し拡大基調にあるが、極端な“いびつ”形態にある。
 すなわち「日本人海外旅行者(アウトバウンド)
1,600万人vs.訪日外国人(インバウンド)500万人(3:1ないしは4:1の比率)」である。この不均衡是正が国際交流面から、また日本の経済活性化面からも、近年、急速にクローズアップされている。

 本論は関西空港と関西の活性化を論ずるが、これらの活性化なくしては日本の“観光いびつ”の是正と、日本経済の活性化がないとの立場にある。
さて、日本経済や観光動向を見ても、東京圏一極集中化がさらに強まっている。この時期に関西空港と関西の活性化への手法、同時に、均衡ある観光大国・日本を追う手法を提言したい。

第1に、関西空港の活性化なくしては日本観光全体、特にインバウンド観光の振興はない。成田・羽田空港による東京圏一極集中化は当面は持ちこたえるが、年間
1,000万人以上の外国人を着実に訪日させるには難しく複数の拠点化が不可欠。
 したがって、関西空港は名実ともに日本のゲートウエイにならなければならない。そのため「国際拠点」であるとともに「国内拠点」空港を目指すべきである。

第2に、関西・関西空港の活性化に向けて「グレーター関西ツーリズム州」構想を提言したい。州観光大臣、州観光局を設置し種々の観光振興策を行なう。「宣伝販促」「外国人渡航緩和策」「インバウンド企業
/起業支援策」「海外企業・外国人による訪日旅行ビジネス誘致策」「関西空港利用増加策」「人材育成・登用(「外国人マネジャー・女性ホスピタリティ担当」「ガイド・通訳・レンジャー」「州立観光大学設立」などである。観光振興手法は1つや2つで十分という決定打はなく、種々の仕掛けの積み重ねであると考える。(了)


 (全文)『私の”関西国際空港と関西の活性化”案